二級建築士の試験。
平成29年に合格しましたので、感じたことやノウハウの共有です。
私は資格学校(日建学院)に通いましたが、十分独学で狙える試験と感じました。
なので、独学者向けの情報共有です。
二級建築士おすすめテキスト(参考書)
まずはテキストを揃えましょう。
テキストは4種類です。
- 過去問
- 問題集
- テキスト
- 法令集
二級建築士 おすすめの過去問、問題集、テキスト
◆過去問
◆問題集
◆テキスト
ここでは、総合資格学院を推薦します。
私が読んで、分かりやすいと感じたからです。
ただし、テキストや問題集の解説文などには、フィーリングがあります。
できれば本屋さんで立ち読みしたうえで、ご自身の好みで選んでください。
こだわることなく、ご自身が読みやすいと感じた会社のものを購入されれば良いです。
二級建築士 おすすめの法令集
二級建築士試験には、普通の試験にはない大きな特徴があります。
『法令集を持ち込める』のです。
なので、法令集は必ず用意しないといけません。
法令集の選び方
法令集には、横書きのものと、縦書きのものがありますが、必ず横書きのものを選んでください。
読みやすさ、調べやすさがまったく違います。
縦書きは使いにくいです。
以下で、3つ紹介します。どれか一つを選んでください。
日建学院の法令集
日建学院に通うと、これを購入することになります。
最も薄い(情報量が少ない)そうです。
余談ですが、私はこの法令集を使い、24/25点で合格しています。
必要な事項は十分に載っていると思いますよ、特に不足はありませんでした。
総合資格学院の法令集
みたことないので、すみません。私はよくわかりません。
総合資格学院に通うなら、これを使うことになります。
毎年十分な合格者を出しています。問題はないと思います。
井上の法令集
分厚い(重い)そうです。これも私は現物は見たことありません。
ネットでの評判は一番良かったように思います。
どの法令集が良いか?
私は日建学院のオレンジのものを使いました。特に不都合は感じませんでした。
(比較対象がないのであてにならないのですけれど・・・)
結局、内容は同じ(法令から抜粋してるだけ)なので、どこの会社を使っても同じ。
手に取って、「文字が読みやすい」などで決めていいかな、と。
ちなみに、日建学院や、総合資格学院の法令集には、「マーカー例文集」が初期では付属されていません。はがきを送れば無料で送ってくれます。
ただし、どうもそれで営業をかけられるみたいなんですよね。
断れない性格なら黄色いのがいいかもしれませんね。最初から例文集がCDでついてくるみたいなので。(CDが再生できない環境なら、ちょっと考えたほうがいいかもしれませんけど・・・)
マーカー例文集とは?
『どのようにアンダーラインを引けばいいか』を記した本のことです。これは必須。
ないと、どのようにアンダーラインを引けばいいのかがわからないので。
営業マンとのかかわり
確かに営業は書けられますが、いろいろと情報を得られるので、営業マンとのかかわりって意外と大事ですよ。
特に、「無料の講義に来ませんか」とか、「1回だけの模試を受けませんか」というお誘いをしてもらえますから。
こういうのはどんどん参加しましょう。独学ならなおさらです。
これって、言ってもらえないと、あるかどうかすらわかんないですよね?
それに、何かと気にかけてくれますから、営業さんとのパイプはつくっておいたら得ですよ。
向こうも営業なので、ダメでもともとで電話してきますし。
私の場合ですが、そこまでしつこい営業もかけてきませんでした。
(忘れたころに「生きてる?」みたいな電話がかかって来る程度です)
いろいろ情報や、冊子(なんと問題集付きの分厚いの!)もタダでもらえたので、営業さんとのかかわりは私にはプラスでした。
二級建築士 特におすすめのウラ技の本
このシリーズは、個人的に、とてもおすすめです。
もう2017年で更新がストップしていて残念なのですが・・・。
ウラ技とは言ってますが、「問題3の正解率が高い」とかそういう根拠のないことではなくて、「問題の解き方」について開設してくれています。問題の覚え方や解説としても群を抜いてわかりやすい、と私は思っています。中古品は安く購入できるようなので、よければ購入してみてください。新書が出ていないのは残念。
【筆記編】建築計画
建築計画の分野は、暗記科目です。
解けば解くだけ得点が上がる系の分野、ですね。
少々とっつきにくい問題もありますが、数をこなせば大丈夫です。
例えば、温度や湿度の問題とかです。
(やってみればわかりますが、初見ではまず解ける気がしません)
しかし、時間をかけて何度かトライすれば、わかるようになります。
もちろん、独学でも十分に理解可能です。
「無理だ」と思わず、何度か問題と解答を読んでください。それで解決すると思いますよ。分かれば大してむつかしい問題はありません。ゼロからやるからむつかしいだけです。
ちなみに、問題1、問題2は、毎回、「誰が何を設計したか」系の、幅広い知識を問われる問題です。
これは、鉛筆を転がしてよい問題だと判断しています。覚えきれるものではありませんから。
興味があるなら覚えてもいいですが、そうではないのであればこの2問は捨てましょう、勉強時間の無駄なので。2問マイナスでも十分合格を狙えます。
他は、特筆すべきポイントはないと思います。
ひたらすら過去問を解くだけでOK。
この分野、最大のポイントは、「問題の理解が必要」というところ。
比較的、苦手とする人が多いようです。
理解さえしてしまえば、効率よく得点できる分野です。
【筆記編】建築法規
法規は、辞書持ち込み可の分野。
だから、得点がすごくしやすいです。
ただ、「じゃあ簡単か」というとそうでもないのですが・・・。
ひたすら過去問を解いて「慣れる」しかありません。
勉強時間としては、一番かかります。
私の場合、1日平均4時間程度かけて、1か月くらいはかかったんじゃないかなあ?
最後まで手を付けなかったので、焦りに焦って、ぎりぎりで手を付けました。
法令の読み解き方
法令は、日本語の使い方が少々難解です。
法令はならではの表現がありますから、ここで悩む可能性が高いです。
なので、まずは「法律用語」についての理解を深めることが大切です。
例えば、「並びに」「又は」の、言葉としての使い分けのルールはご存知ですか?
もし、ピンとこないようなら、「法令の読み方」について書かれた本は1冊でも読んでおくと理解が深まります。
というか、知らないままだと法令を読み解けず、結果、日本語が理解できません。これは建築基準法だけでなく、民法やその他の法令も同じです。
もう少し詳しく知りたい方は、販売されている本で学習されたほうが良いかと思います。
建築法規 勉強で用意するもの
法規で用意するものは、赤・青の色鉛筆と、フリクションペン、フリクションマーカーです。
色鉛筆(きえるやつ)
普通の色鉛筆じゃなくて、消せるタイプがよかったです。
万が一、試験管から「このアンダーラインはダメだから消しなさい」と言われた時に消せないと、ページごと破らないといけなくなったりするようなので。
フリクションペン
書き込む場合は、フリクションペンで。色鉛筆と同じように、消したいときに消せるものがいいです。
フリクションマーカー
フリクションマーカーは、色の薄いものが良いと私は思いました。色が濃いと、紙の裏にマーカーが写って読みにくくなったので。
建築法規 アンダーラインの引き方
法令集に「アンダーラインの引き方」という付録がついているはずです。まずはそれに沿って、言われるがままラインを引きます。
結構量が多いです。確か、アンダーラインを引くだけで3時間くらいかかりました。
あとは、問題を解くたびにアンダーラインをひきます。繰り返し、アンダーラインを引くことで、重要なポイントにアンダーラインが重なって、目立ちやすくなります。
アンダーラインの引き方 色鉛筆の使い方
色鉛筆は2種類、赤と青を使います。他は使いません。
出題されたところは赤でラインを引きます。青が例外規定。ほかに注意すべき点はないので、これだけでOK。
問題を解くときに色鉛筆を重ねていきます。何回も問題を解いて、何回も見たところは、色鉛筆を重ねるので、色が濃くなっていきます。
記憶が定着するとともに、視覚情報としても目立つようになっていくので、より探しやすくなる、という感じです。
これがかなり覚えやすくて、そしてわかりやすいと私は思いました。
アンダーラインを引くときの注意:やりすぎない
アンダーラインや、書き込みには制限があります。詳しくは、試験元のページで確認してください。
試験なので、「答えは書いちゃだめですよ」ってことです。
基本の考え方は、
- 「アンダーラインを引く」
- 「参考ページ数を書く」
くらいしか、認められるものはない、という認識でよいかとは思います。
詳細は、本家ページでご確認を!
http://www.jaeic.or.jp/shiken/2k/2k-q/2k-qanda.files/h30-horeishu.pdf
試験当日は、試験開始前に試験管が法令集を確認して、ダメなところは消すように指示されます。消せないなら、没収か、該当ページを破らないといけないみたいです。
ルールに従って書いてください。
【筆記編】建築構造
「構造計算」は、計算問題です。考え方を理解するまでがかなり長いです。1か月~2か月程度、かかると思います。
おそらく、ここが独学の最大の難所。
内容は、四則演算ができればクリアできるので、理解さえすればむつかしくないのですが・・・。
とにかく、一つ一つゆっくりと理解するしかないです。
計算問題は、6問程度が出題されます。難しい問題で、どうしても理解できないようなら、捨てていいと思いますよ。1問や2問くらい解けなくとも大勢に影響はないので。
私は、最終的に、トラスの応力計算の、特に難しめの問題は、8割くらいの完成度でやめました。
もう少しやれば100%得点できたと思いますが「これ以上やっても意味がないな」と思ったので、途中で面倒になってやめました。
出題されるかわからない割に時間のかかる問題に学習時間をかけるよりも、他に時間をかけた方が期待値が高いと考えたからです。個人の考え方ですが、簡単な問題にだけ注力して難しいものは捨てる、というのも戦略としてありだと思いますよ。
【筆記編】建築施工
完全なる暗記科目。
現場に出ているか否かで、難易度は変わります。現場の方は、強いですね。過去問の解答をみるくらいで十分得点できると思います。
全く現場をを知らない(学生さんだとか)なら、少しつらいかも。一つ一つの名称を知らない場合は、検索にかけると理解が早まります。
例えば「バックホウ」と「パワーショベル」の違いってわかりますか? 理解しようと思えば、文章を読むだけでなく、画像を見るのが一番です。グーグルで画像検索をかけるとすぐにわかりますよ。
【製図編】二級建築士 独学での勉強方法
まず、製図の書き方は、「日建学院方式」と、「総合資格学院方式」で、全く違います。
(この二社が、建築士試験の大手二社。どちらかの方法で勉強をすると良いです。他の会社は見なくていいですよ、解説の質はこの2社が抜きん出ています)
最大の注意点は、どちらか1社に絞って勉強すべき、という点です。
どちらも勉強して、いいところどりをしようすると、混乱してしまううえ、時間が足りなくなります。勉強時間に余裕があるようなら、いいところどりも全然ありかもですが、筆記試験後の2ヶ月ではそんな余裕はないスケジュールだと思います。
日建学院と、総合資格学院と、どちらがいいか?
私は日建学院に行きましたので、日建学院方式しか知りません。
両方を知らないので「どちらがいい」とは言えないんですが・・・。
結論だけを言うと、「どっちでもいい」と思っています。両方の会社から、毎年合格者が出ているので、どちらでも合格できることは間違いないです。
以下は、私の持っている情報を書いておきます。参考程度に見てください。
製図は、「パズル」です。あらかじめ決められたルールに則って、図面に当てはめていきます。
そのルールが、日建と総合資格学院で違うんですよね。(どちらが正しい、ではなくて、いろんなやり方がある、ということです)
風のうわさで、総合資格学院のほうが、書き込み量を少なく設定している、と聞きました。
日建学院のほうが、書き込み量が多いのだとか。
しかし、これはどちらがいい、というわけではないです。
書き込めばそれだけ点数が上がる可能性あります。
(当然、間違えていれば点数下げられる要素にもなります)
逆に、書き込み量が少ないということは、加点される要素が少ない、ということです。
設計のしやすさ(パズルの解きやすさ)は、総合資格学院のほうが解きやすい、と聞きました。
逆に、日建学院は、パズルはむつかしいものの、図面は書きやすい(らしい)です。
どっちかに選んで決めちゃってください。フィーリングでいいと思います、両方を経験している人ってそんなにいないと思うので、客観的な意見は聞けないと思いますから。
総合資格学院のテキスト
日建学院のテキスト
二級建築士 製図の勉強の方法
何をすれば良いのか、全くわからないですよね。テキストを読んでもわからないし。
まずは書き写すことから始めましょう!エスキスと呼ばれる、「設計」の部分は、とりあえず脇に置いてよいです。
とにかく図面が書きあげられないと話にならないからです。
「何を書かされているのかわからない・・・」ってなるかもしれませんが、大丈夫です。
慣れればわかるようになりますから。とにかく、忠実にテキストに沿って、まずは書き写してください。
そのあとは、同じ図面を5枚~10枚くらい書きます。書き順がわかってきて、少しずつ早くなります。
このあたりで、「部品ごとの意味」をわかっておくといいです。「梁や母屋の部品が、どういう目的でどこに利用されているか」、という話です。
テキストを見ながら、「なぜここに床梁が必要なのか」だとか、「なぜ胴差を240のサイズにしたのか」ということを、ゆっくりでいいので理解していきます。
なぜ胴差が240サイズか?
製図試験で、240サイズや120サイズで設計していますよね?
しかし、その詳しい理由・解説は、あまり教科書に登場しません。
ですから、私もかなり迷ったのですが、講師に聞いたところ、「適当に設定している」そうです。
「明確な理由はない」とのこと。
何故かと言うと、本格的に計算するなら構造計算が必要になるので、誰も正確にはわかってないんですよね。(ぱっと見では講師もわからないとのことです、計算しないといけないので)
試験では、半分の120サイズにしたら「耐力が不足するのでは?」という程度の理解があれば十分です。
もう少し補足すると、胴差が240サイズの場合、おそらく、スパンが3640サイズか、もう少しスパンが短くても床梁が乗っかってると思います。
重い力を保持しないといけないので、胴差が太くなる、ってイメージです。
もう少しスパンが長くなると、胴差を270サイズにあげとくかなー、とか、私はそういう基準で書いてました。数字はそれっぽく選んではいましたが、適当でしたよ。たぶん、受験生はみんなそうだと思います。
「できるだけ耐力壁や管柱に力を持たせる」とか、そういうイメージをもって書いてると、結果的に図面が”それっぽく”なります。それでいいんですよ、そのくらいの精度しか求められていない試験なので。
それと、大切なことは部分詳細図とのリンクですね。
伏せ図が240サイズなのに、部分詳細図が120サイズになってたらおかしいです。
なぜおかしいか、わかりますか?
私は最初はわかっていませんでした。
(基本的な内容なので、ここでは解説しません。勉強の中でわかるようになってください)
ここが理解できていないと部材サイズの調整ができません。
自分が何を書いているか、を、考えながら書き写すとよいです。
ある程度、図面のトレース(書き写すこと)に慣れたら、エスキス(設計)に入ります。
テキストを見ながらのパズルです。
独学のつらいところは、あまり枚数をこなせないところです。
(テキストに付属の問題は、5問くらいしかありませんから・・・)
学校に通っている生徒は、10問~15問くらいを解いています。比較して、独学では圧倒的に経験が不足することになります。
- 試験学校の模擬問題をもらう
- ネットで公開模試を受けて添削を行う
など、できるだけその経験不足を補えるような努力が必要になります。
エスキスの注意点
- 真四角な家を設計する
- 1階と2階の部屋の形(正確には、柱と壁の形)は、合わせる
ことに留意します。
難しい家を設計すると、伏せ図がややこしくなって減点箇所が増え、また、書き込み量も上がってしまうので。
多少無理やりにでも、真四角な家を設計するように心がけると、すべてがうまくいきます。
ただ、それと同時に、どうしても真四角にならなかった場合でも図面を仕上げられるように、立面図や断面図の仕上げ方は練習しておいてくださいね~。
大量に問題を解く。私はこれで失敗しました。
試験学校では、ものすごい量の問題が出題されて、次々に解いていきます。
その結果、一つ一つの問題を解くことだけはがんばって追いつくのですが、「答え合わせ」がおろそかになってしまいました。
ここがいけなかった。
「どこがどう間違っていて、なぜ間違えたのか。そしてどうすれば間違わないのか」を見直さないまま本試験に挑むことになってしまったので、本番でつまんないミスをして、落ちてしまいました・・・。(具体的には、トイレを書き忘れるという超凡ミスをやらかしました)
これは、練習の時点でしっかりと見直しをして、問題点を認識してさえいれば、本番ではクリアできていたはずなので、すごく悔しかったですね~。
試験学校に勉強を任せた自分のミスでした。これはすごく後悔。解いてばかりじゃなくて、ちゃんと見直しはしないといけないですね。むしろそっちのほうがよほど重要。
問題は年度によって違うが基本は同じなので、違う年度の問題を解いても良い
木造なら木造、RCならRC。
平面図の設計(エスキス)には違いはあるものの、
- 伏図
- 立面図
- 断面図
- 部分詳細図
は、年度が違っても同じです。
なので、年度が違うもので練習をしておくことは無駄ではないです。
二級建築士 製図の勉強にかかる時間
詰め込みまくれば、1か月もあれば合格圏内まで到達可能です。
私がそうでしたから。
私の場合、筆記試験が終わってから、心理的な緊張が切れてしまって・・・。ありていに言えばやる気がなくなっちゃったんですよね~。
で、お盆休みが明けてからまじめに勉強し始めました。
8月15日からとしても、9月半ばには試験なので、1か月をきってるくらいのスケジュール感ですね。実質、20日前後だったと思います。
無理をすればこんな感じで、いけなくもないんですが・・・。
とはいえ、当然ですが、できるだけ時間かけたほうがいいと思います。
それも、可能であれば、筆記試験と並行して、ゆっくりでいいので、製図をかきはじめたほうがいいですね。
心理的負担が強すぎます。
二級建築士 製図試験、小技とか
製図用紙は買える
製図のテキストに数枚ついているのですが、たぶん足りなくなると思います。
購入して書きまくってください。
もしくは、試験学校の講座(無料や、模擬テスト形式)に行くと、営業さんが「いくらでももっていっていいよ!」といわれますので、遠慮なく大量に持って帰りましょう。こう、がばっと。
後はなんだろ。
書きたいことは大体↓で書いたので、こっち読んでくださいw
かなり殴り書きなんですが、必要な道具も書いてるので。