組合運営

分譲マンションで、管理組合の役員になったら

このページは、

「順番で、来年から役員になるのだけれど、いったいどうすればいいの??」

という方に向けて書いています。

役員に就任することに対して、不安な思いになる原因の一つには、「マンション管理をよく知らない」ことにあるのではないかな、と私は思います。

ここでお話するのは、マンション管理の『第一歩』の部分です。
初心者向けのお話です。

このページをご覧になられた、

「役員になったけど何も知らない。どうしよう?」

という方が、

「よーし、頑張ってみるかー」

という気持ちになっていただければ幸甚です。

マンションは誰のもの?

分譲マンションと、賃貸マンションの大きな違いは、

「マンションは誰のものか?」

というところにあります。

とても大切なことなので、よくよく、理解をしないといけません。

  • 賃貸マンション=オーナーのもの
  • 分譲マンション=みんなのもの

です。

分譲マンションは、みんなのもの。
管理会社のものではありません。

みんなで決めるためには、話し合いや、決まり事が必要です。
だから、分譲マンションでは、みんなで集まって集会をしたり、ルールブック(管理規約と呼ばれます)を作ったりしているのです。

大切なこと

  • 分譲マンションは、みんなのもの
  • だから、ルールもみんなで決める
  • 管理会社のものではない

管理組合って、なに?

分譲マンションは、『みんなのもの』でしたよね。
しかし、『みんなって誰?』が、明確に決まっていなければ、ルールがあいまいになってしまいます。

マンションは、数千万円以上のお金をかけて購入するもの。
ルールがあいまいでは、みんなの大切な資産も、本当にそれだけの価値があるものかどうか、わからなくなってしまいます。

ですから、これらは法律でルール化されています。
みんなとは、所有者全員のことです。

所有者とは、オーナーのことです。
(つまり、購入した方のことです)

ですから、部屋を借りて住んでいる方は、管理組合に加入できません。

マンションの所有者全員が参加して作る団体のことを、『管理組合』と呼びます。

管理組合への参加は、強制です。
管理組合を脱退するには、所有者を辞める(つまり、売る)しかありません。

大切なこと

会社に例えると、

  • 所有者=社員のこと
  • 管理組合=会社のこと
  • マンション=事務所ビルのこと

つまり、管理組合とは、マンションそのものであると言えます。

管理組合の仕事

管理組合の仕事を一言で表現すると、『マンションの運営』です。

代表的なお仕事は以下の通り。

  1. 1.お金の管理(集金や、支払い)
  2. 2.壊れた箇所の修理(設備の維持)
  3. 3.設備の点検や、マンションの清掃
  4. 4.短期(来年)の計画の立案
  5. 5.中~長期の計画の立案
  6. 6.生活の向上(防災や、コミュニティの形成)
  7. 7.その他(書類の整理や建て替え事業など)

1.お金の管理(集金や、支払い)

マンションを運営するには、お金が必要です。
みなさんも、毎月、マンションにお金を払っていませんか?

みんなからお金を集めるのは、管理組合の仕事です。
ときには、払ってくれない人に対して、「払ってください」と言うこともあります。

また、集めたお金を使うこともありますよね。
修理をしたり、点検をしたり。
業者さんへのお金の支払も、管理組合が行います。

2.壊れた箇所の修理(設備の維持)

マンションの設備が壊れてしまった場合、修理をしないといけません。
みんなから集めたお金を使って、管理組合が必要な修理を行います。

小さなものだと、切れた電球の交換がそうです。
数千円程度ですね。

大きなところだと、足場をかけた外壁の塗装も管理組合が行います。
この場合、数千万円~数億円の工事になることもあります。

どのような工事にせよ、みんなから集めたお金を使って修理を行うことには違いがありません。

3.設備の点検や、マンションの清掃

エレベーターの点検は、エレベーター業者さんが行っていますよね。
管理組合が、みんなのお金を使って点検をしています。

清掃もそうです。
廊下や階段の掃除は、専門の業者や管理員さんが行っていませんか?
これも、みんなのお金を使って行われています。

4.短期(来年)の計画の立案

マンション運営は、みんなから集めたお金を使います。大きな額です。
家計と同じで、行き当たりばったりでは、すぐに使い果たしてしまいます。

ですから、

  • どんな工事や点検をするか
  • いつするのか

について、予め決めておきます。
その計画を作るのは、管理組合の仕事です。

5.中~長期の計画の立案

マンションは、50年以上使える建築物です。
それだけ長い目で見たプランニングが必要です。

いつ、なにに、どれだけお金を使うか。

また、マンションも年数が経過するたびに、時代に合わなくなってきます。

  • 自動ドアがついていないので、自動ドアをつけよう
  • 宅配ボックスを設置しよう
  • そのために、いくら貯めておかないといけないのか?

マンションのグレードアップを考えることも、管理組合の仕事です。
そして、そのグレードアップを実現するための資金計画は、管理組合が計画するのです。

6.生活の向上(防災や、コミュニティの形成)

マンションには、多くの方が住んでいます。

地震が起きたら? 火事が起きたら?
食料は備蓄するのか、簡易トイレは、避難場所は、消火はどうやって?

安心な住まいを考えることも、管理組合の仕事です。

また、住人コミュニティの形成も管理組合の大切な仕事です。
お隣さんとは仲良くする。
そのために、マンションのルールを作ったり、イベントを企画することも、管理組合が行います。

7.その他(書類の整理や建て替え事業など)

マンションが建築されたときの資料や、点検・修繕の資料など。
こういった様々な資料を保管・整理することも、管理組合の仕事です。

また、古くなったマンションは、いつか、建て替えることになります。
建て替え事業は、みんなで行なうものですから、管理組合の仕事です。

管理組合の役員は何をするの?

管理組合=みんな

でしたよね。

みんなで管理組合の仕事を役割分担できれば一番良いのですが、人数が多すぎてもまとまりがなくなります。

なので、役員という、管理組合の中心人物を任命して、みんなを代表して実際の業務を行ってもらいます。

管理組合の役員の種類は?

多くの場合は4つです。

  • 理事長
  • 副理事長
  • 理事
  • 監事

理事長

管理組合の代表者です。
会社でいうと、社長にあたります。

契約書への署名や、費用の支払いの承認をします。

副理事長

理事長を補佐します。
会社でいうと、副社長です。

理事長を助けるのが仕事です。
相談相手として、理事長が一番最初に頼る方です。
また、理事長が不在のときは、代理で理事長を務めることもあります。

理事

役員のメンバーです。
会社でいうと、役職者です。(部長や、課長など)

「会計担当理事」「設備担当理事」「植栽担当理事」「コミュニティ担当理事」

など、様々な分野の担当者として、役割を与えられます。

監事

『理事長・副理事長・理事に就任した人たちがきちんと業務を行っているか』を、チェックする役割です。
会社でいうと、監査法人です。

日頃、具体的に「これ!」という仕事はありませんが、マンション全体を見る必要があります。

理事長の仕事、副理事長の仕事、理事の仕事。
お金の流れ、業者の手配、業務の実施状況、など。
全てです。

監事の責任は重大です。
なぜなら、

理事長よりも強い権限を持っているのは監事だけ

だからです。

万が一、理事長や、他の役員の行動に間違いがあれば正さなければなりません。
監事は、役員ではない人たち全員の代表なのです。

自治会とマンションの管理組合は別の組織

地域によっては、「自治会」を組織していることがあります。

『自治会と管理組合は、同じようなもの』として捉えている方も少なくありませんが、実際は全く別の組織です。

法的にも、自治会には『参加の自由・脱退の自由』がありますが、管理組合にはそれがありません。
オーナーである限り、管理組合への参加は強制です。

マンションと管理会社の関係は?

マンション管理会社がマンションの運営を行っているように思えるかもしれませんが、実際は違います。

管理組合がマンションの運営を行っています。

管理会社は、管理組合のサポートが仕事。
運営は、管理組合が行います。

管理組合が、管理会社を雇っている、という形です。

とはいえ、管理組合の役員は、多くの方がマンション管理は未経験。
管理会社のアドバイスを受けるという体裁を取りながらも、実務は管理会社が行っている、というケースはよくあります。

管理会社とは、二人三脚が望ましい

管理会社は、マンション管理のプロです。大いに頼れば良いと思います。
ただ、マンションの方向性(何をしたいか)については、管理会社では決められません。

例えば、「ハイグレードなマンションを目指す!」

という場合、集めるお金はたくさん必要になりますよね?

逆に、「グレードは落として、コスパ重視!」

という場合は、集めるお金は少なくて済みますが、時代遅れの設備が更新されないなどの問題があります。

 

管理会社にできることは、それぞれのメリット・デメリットを伝えることまでです。
どちらのマンションを目指したいかは、それぞれのマンションが決めないといけません。

「どちらにすればいいのかわからない」という場合は、管理会社もどのように運営を進めればよいのかわからず、結果として、不満足な運営となる可能性が高いです。

「マンションをどのように運営すれば、良いマンションになりますか?」

という問いかけには、管理会社は答える舌を持ちません。
なぜなら、「良い」という定義は個人によってまちまちだからです。

しかし、「●●を実行するためには何が必要ですか?」という問いかけには、精度の高い返答が期待できると思います。

管理会社に、おんぶにだっこ、ではなく。
二人三脚で、協力してマンション運営を行いたいものです。

役員になったら、一つだけやりたいことを決めてみる

急に役員になってたとして、とても不安ですよね。

多くのマンションでは、役員の任期は1年~2年程度と、短いです。
その短い任期では、とても残念なことに、「マンション運営に慣れてきた」くらいで終了します。

短い任期で、「あれもこれも」やろうとすると、時間が足りなくなったり、過度に負担がかかったりします。

私からは、「やりたいことを一つだけ決める」ことをご提案します。

短い任期でも、一つだけなら実現可能でしょうし、また、「役員になったけど何もできなかった」ということもなくなると思います。

やりたいことをリストアップしてみてはどうでしょう?

まずは、やりたいことや、マンションの問題点をリストアップしてはいかがでしょうか?

そのリストで一番重要なことを、1年に一つだけクリアする。

「あれは僕たちが役員のときにしたことなんだ」という自信は、結果として、自分自身の満足度に繋がり、そしてマンションへの愛着になるのではないかなー、と。

多くの方が同じ気持ちでマンションに接することができれば、住みやすいマンションになっていくだろうなー、と思います。

ABOUT ME
はじめちゃん!
はじめちゃん!
分譲マンションを管理する会社に勤めています。 資格:管理業務主任者/マンション管理士/宅地建物取引主任士/マンション維持修繕技術者/二級電気工事士/建築業計理士二級/二級建築士/1級船舶免許

POSTED COMMENT

  1. 器用人 より:

     未経験の素人がマンション管理を出来るわけがありません。
     「プロ」の管理会社が、マンション管理をいちいち指示しなければできないこともありません。 ところが、法令等や契約、規約のすきをついて、知らないふりをする管理会社もあります。 管理組合や理事会は「シロウト」ですから、分からないことが分かりません。 役職についても、理事長は社長ではなく、公益法人等の理事長の扱いです。 代表取締役ではありません。
     マンション管理センターがこれまでに出している資料の流れもそうなっています。 最近の流れは、変な流れになっています。

  2. 管理会社と住民が協力しないと、満足度の高いマンション管理はできないと思いますよ。
    素人だから、プロだからと垣根を作っていたら、損するのは常にマンション側じゃないかな、と。
    管理会社は、マンションの資産価値の維持・向上には、あまり強い意識を向けませんからね~。

    言葉の正確性については、まあ、たとえ話ですので、、、
    あまり深くお考えにならず、「へえ、そういうもんなのかな」と捉えていただければ。
    正確な業務は、管理規約でご確認くださいませ

  3. 器用人 より:

     マンションと似た建物の管理を経験していたので、マンション管理の実務は管理会社よりも分かっています。 マンション暮らしも50年を超え、自主管理のころのもめごとも話し合いで解決してきました。 管理会社は区分所有法等の穴を使うのがうますぎ、素人はかないません。 反社会的勢力も使うのが上手です。

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