パーティーションボード

マンションベランダの間仕切り板の交換費用

ベランダとベランダを隔てる板の交換費用について。

間仕切り板、隔て板、パーティーションボード、などと呼びます。呼び方は違えど、全て同じものです。

結論から言うと、相場としては4~5万円程度と思われます。

交換費用の原価

【標準的な工事費】

材料代:0.5~1.0万
人件費:1.0~1.5万
諸経費:0.3~0.5万

原価(最低限かかる費用)としては、安くて、1.8万円~高くて、3.0万円程度だろう、と思います。

  • 材料代=ボード代+シール代のこと。
    ボード1枚4000円程度、2枚で8000円くらい。
    シール1枚で1000円程度、2枚(裏表)で2000円くらい。
  • 作業時間は、30分~1時間程度。
  • 諸経費とは、廃材処分費、見積もり費用、報告書作成費、雑材損耗費、道具の損耗などを含んだ費用のことです。

業者さんや材料屋さんによって価格は若干変動するでしょうが、最低限、必要な経費としては、上記のとおりです。

ただし、ここにいくつかの費用が追加で必要となるケースがあります。

手間代(0.5万~1.0万円程度追加)

ベランダなので、住んでいる方の立ち会いがなければ交換ができません。お仕事もありますし、「いつでもいいよ」ってわけじゃない事が多いです。

なので、土日の訪問になることもありますから、職人さんとの日程調整が大変だったりします。そこに手間が発生し、費用が上乗せされることがあります。

更にこの板を取り替えるのは、ベランダのどちらか一方からでないと取替ができません。

というのは、ビスのある方向のベランダ側からでなければ工事ができないのです。ビスのないベランダの住人さんから連絡があったとしても、その方だけの立ち会いでは交換できません。お隣さんの立ち会いが必要となります。

そうなれば、改めてお隣の方に連絡をとったり、日程を調整したりと手間が発生します。手間が発生するということは、値段があがるということです。

塗装代(1万程度追加)

素のままのボードでは周囲住戸とは色が違うことがありますから、その場合は塗装をします。
職人さんが自社の作業場で塗装をして持ってくることが多いですから、現場で色塗りをすることはないと思います。

発注時点で塗装色を指定できる材料屋さんもあります。

中間手間(総額の10%~30%程度)

管理会社や工務店、あるいはリフォーム会社など、元請け会社の管理料です。

実際の請求金額は、4万円~5万円前後が多め

どのような方法で、誰に依頼するか、にもよりますが、結局のところ、4万円~5万円前後を請求される事が多いかと思います。

職人さんに近い位置で発注すれば安くなるでしょうが、細かい打ち合わせが必要になります。ですから、職人さんに指示できるだけの知識と、つてがあれば安く発注できると思います。

しかし、ある程度は知識がなければ対応できない(もしくは満足のゆく仕上がりにならない)可能性がありますので注意が必要です。

工務店やリフォーム会社を通すとその分高くなりますが、工事の監督も含めてしてくれますから、安心して任せられると思います。

相見積もりを取ると安くなる?

現場調査+工事で1.5万~2万程度の粗利益ですから、儲かるとか儲からないと言うほどの金額でもありません。最低限の人件費程度です。

この工事単体で相見積もりなど手間のかかることをされるならお断りしたい、というのが業者側の本音かと思います。(最初から正直に指値で言ってくれたほうが楽、と言われるかもしれません)

職人さんの給料はいくら?

今回は、交換の人件費を1~1.5万と見込みました。

交換にかかる時間は、30分~1時間程度なので、まとまって同じ工事をすることができれば、1日6件~7件程度は回れることになります。

しかし、実際には、毎回仕事が同じところで固まるようにはなりませんから、現地に訪問するまでの移動時間(往復)や、顧客との挨拶や説明、そして良いお客さんはお茶を出してくれることもありますから、そういった諸々の時間を考えると、実際の拘束時間は「最低でも2時間」を見込むことになります。

そうなると、午前中はこの工事に追加して1件、または準備があればこれだけ、ということもありうるわけです。

もちろん、これは工事の受け方にもよるのですが・・・。しかし、午前中いっぱい使って1.5万円では生活はかなり厳しいです。

腕のいい職人ほど、無理な工事は受けません。

安いケースだと8000円くらいで受ける職人さんもいるでしょうが、「値段を下げなければ仕事がない」業者なので、腕はあまり良くない可能性がある、ということは離開しておいたほうがいいかもしれません。

破損したときはどうしたらいい?

破損した例

ベランダの隔て板は、蹴れば簡単に破れるようになっています。これは、災害時に隣のベランダへ逃げられるように、あえて破れやすい部材を使用しているからです。

そのため、特に台風の強い風で割れてしまうことがよくあります。

台風の場合、被害は地域で大規模に広がっていることがあります。例えば、2018年の大阪の台風の際は、復旧までに数ヶ月かかるケースも珍しくありませんでした。

具体的な対応

  1. 写真を撮影する
  2. 一時的に養生テープなどで固定して安全を確保する
  3. 管理会社に連絡する(自分で修理しない)

写真を撮影しておく

台風被害にしてもなんにしても、多くのケースで、マンションの火災保険により復旧費用が支出されるケースがよくあります。

申請の際に写真が必要となります。

念の為、写真は撮影しておくと良いでしょう。

一時的に養生テープなどで固定して安全を確保する

ひとまず、板はなくなっていたとしても、固定用の枠は残っているはずです。

養生テープをぐるぐる巻にして目隠しをしておけばよいでしょう。

板が残っているのであれば、その板ごとぐるぐる巻きにしておけばOKです。

管理会社に連絡する(自分で修理しないほうが良い)

ベランダの隔て板の修繕は、管理会社に任せましょう。

保険が適用されるか否かの確認、修繕仕様など、マンション固有の条件がいくつかあります。お住いの方が勝手に手配してしまって、あとから「やりなおし」を要望されるなどのトラブルは避けたいからです。

隔て板は誰のもの?

分譲と賃貸とで扱いは違うのですが、ともに「個人のものではない」点は共通しています。

分譲マンションの場合

一般的に、ベランダの隔て板は「共用部分」に当たります。

破損した場合は管理組合が修繕費用を負担することになりますから、個人で修理はしないほうがスムーズです。

自分の不注意で破損してしまった場合でも保険が適用となるケースもありますから、一度管理会社へご相談してください。

賃貸マンション

賃貸マンションの場合、ベランダの隔て板はオーナーのものですから、管理会社に連絡して対応を依頼しましょう。

まとめ

  • 交換費用は、4~5万円程度。
  • 自分で職人さんを探すともう少し安いこともある
  • 台風等の災害時は火災保険が適用されるケースが多い
  • 自分で直さず、管理会社へ連絡を

マンション火災保険は、使ったからといって、自動車保険のように値上がりするようなものではありませんのでご安心を。

なお、大規模な災害(特に、2018年の大阪の台風のような規模)の場合、修繕までに数ヶ月かかるケースも多々あります。

隔て板のほとんどが割れた(数十枚、という規模です)、というマンションもありましたから、単純に職人の手が足りないのです。安全の確保だけは行って、あとはゆっくり待っていただければとは思います。

ABOUT ME
はじめちゃん!
はじめちゃん!
分譲マンションを管理する会社に勤めています。 資格:管理業務主任者/マンション管理士/宅地建物取引主任士/マンション維持修繕技術者/二級電気工事士/2級建設業経理士/二級建築士/1級船舶免許

POSTED COMMENT

  1. アバター 器用人 より:

     台風で間仕切り板が壊れました、破片は飛んで行ってしまって、どこへ行った分からず、捜索中です。 第二室戸台風級の台風は52年ぶりです。 気が付いたのはマンションが加害者になる恐れです。 台風時だけでなく地震時にも注意しなければと思いました。

  2. 高い場所から物が落ちてきたらそれだけで危ないですよね。
    台風の前には、ベランダを片付けたほうが良いですね!

  3. アバター 器用人 より:

     しばらくぶりの大型地風なので油断がありました。 通風孔を閉め忘れたため専有部分(室内)の蓋が飛び、一部は元に戻せず販売会社か当初建築会社と相談するつもりです。 管理会社からは通風孔についての注意はありませんでした。

  4. アバター ルパン より:

    虫が止まっていた為、足で踏んづけようとして間仕切り壁を壊してしまいました。
    かなり古い建物で、同じ様には戻せ無いと思います。
    直ぐに不動産会社に連絡はしましたが修理費用が心配です。
    平均4〜5万円だと聞きますが高いと幾ら位に成るのか教えて欲しいです

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