フロントの仕事

マンション管理の仕事の種類と、その違い

マンション管理の仕事は、大まかにわけて3種類あります。

  • フロント(管理業務主任者)
  • マンション管理士
  • 管理員

これらの違いについてまとめました。

【仕事編】管理業務主任者、マンション管理士、管理員の違い

この項では、仕事(役割)としての違いを説明します。

  管理業務主任者 マンション管理士 管理員
一般的な呼び方 フロント・管理会社の担当者 マンション管理士・マンションコンサルタント 管理員・管理人
立場 マンション管理会社の社員 マンション運営の顧問。管理組合と契約する。 清掃・設備点検・住人受付等の、現場業務を行う
勤務先 マンション管理会社 マンション管理士事務所
(もしくは独立開業した、個人事業主)
マンション管理会社
雇用形態 正社員がほとんど マンション管理事務所に社員として勤務するなら、正社員がほとんど
ただし、現実にはマンション管理事務所は多くなく、独立開業をしている人が多い(と思う)
パートタイマー、アルバイトが多い。
住み込みでマンションに常駐する場合もある。
給与 一般的なサラリーマンと同程度 一般的なサラリーマンと同程度
(ただし、独立開業した場合はこの限りではない)
時給制が多い
県の定める最低賃金に近い場合が多い
年齢 現役世代 現役世代
(ただし、独立開業した場合はこの限りではない)
定年退職した方や、それに近い年齢の方が多い
独立開業は? 管理業務主任者資格を活かしての独立開業は、絶望的
経験を活かして、マンション管理士として独立の可能性はあり
マンション管理士事務所として、独立開業が可能
ただし、需要がかなり薄いことは重々に覚悟。
一般的ではない
(できないわけではないし、需要はあるとは思うが・・・)
資格の要否 従業員には、「管理業務主任者」資格の取得が求められる。
実務では必須。
名称独占資格のため、「マンション管理士」業務の実務を行う上では不要。(なくていい)
ただし、「マンション管理士」は名乗れない。
不要

次に、資格としての違いです。

【資格編】管理業務主任者、マンション管理士、管理員の違い

  管理業務主任者 マンション管理士 マンション管理員検定
種別 国家資格 国家資格 民間資格
資格の難易度 合格率約20%。
難易度は、宅建とほぼ同程度。
(勉強時間:約350時間~500時間程度)
合格率約8%。
管理業務主任者と範囲はほぼ同じだが、比較してややこしい問題が多く、比較して難しい。
(勉強時間:約500時間~)

合格率60%程度。
管理員業務そのものと言うよりは、常識的を計る出題が多い印象で、専門色はさほど強くない。

受験資格 特になし(誰でも受験可能) 特になし(誰でも受験可能) 特になし(誰でも受験可能)
独占業務の有無 あり
マンションの管理業者は、各事務所に一定数の資格者の確保が義務付けられている
なし
マンション管理士資格は、いわゆる「名称独占資格」であり、「独占業務」は与えらえれていない。
民間資格のため、該当しない

管理業務主任者とは、フロントのこと

一般に、「管理業務主任者」という、仕事はありません

管理業務主任者という資格に合格し、管理業務主任者としての資格証をもった人間が、マンション管理会社に就職し、フロントマンという職業に就いています。

 

更にややこしいのは、管理業務主任者(フロントマン)として、マンション管理会社で働いている人間の中には、マンション管理士の試験に合格し、資格をもっている人間もいるということです。

私もそうですね。

ですが、(私も含めた)彼らは、「マンション管理士としての仕事」はしていません。

資格をもっているだけです。

フロントが「私はマンション管理士です」と名乗る事もありません。(名刺には書いていますが)

管理員さんは、フロントの部下にあたる

一般に、管理員さんの年齢は高いです。

が、アルバイト契約が多く、あまり多くの裁量を持ちません。

管理員さんの上長にあたるのがフロントです。

フロントからみて、管理員さんは部下はですね。

指揮命令系統は「フロント→管理員」となります。

管理人?管理員?

呼び方です。「どちらでも同じ」と認識してOKです。

昔は「管理人」呼んでいたのですが、最近では「管理員」と呼んでいます。

これは、どうやら国土交通省がそう呼び始めたところに由来があるようです。

現場の方は、(私も含め)「管理員」と呼んでいる方が多いように思います。

とはいえ、どちらでも同じものとして認識しますので、気にしなくてよいと思います。

マンション管理会社に就職するつもりなら、違いは知っておくべき

経験をしていないとピンとこないかなーとは思うんですが、この辺は一般的な企業研究の範疇です。

なので、就職を考えているなら、それぞれの違いは知っておくべきです。

 

ちなみに、マンション管理士は、「マンション専門の顧問弁護士(弁護士じゃないんですけど)のようなもの」、という認識でおおまかには当てはまるかな、とは思います。

管理会社と敵対しているわけではないのですが、仕事の仕組み上どうしても利益が相反するケースが多いので、「お互いのことを悪く言い合う」というのはよく見られる光景です。

この辺りは、「営業トーク」くらいに思っておいてください。

特に、どちらの言い分が正しくてどちらの言い分が間違っている、というわけではありません、立場の違いからくる認識の相違です。

ABOUT ME
はじめちゃん!
はじめちゃん!
分譲マンションを管理する会社に勤めています。 資格:管理業務主任者/マンション管理士/宅地建物取引主任士/マンション維持修繕技術者/二級電気工事士/2級建設業経理士/二級建築士/1級船舶免許

POSTED COMMENT

  1. アバター 器用人 より:

     管理業務主任者は、管理会社に就職する際有力な資格ですが、マンション管理士は、基本的に個人に与えられる資格ですから、個人で営業しないと、マンション管理士の報酬は得られません。
     しかし個人では、組織的な管理会社には対抗できません。
     マンション管理士と管理組合が、共同して行動しないといけないと思います。

  2. アバター 新米理事 より:

    時々拝見しております。

    『管理員さんからみて、フロントは部下ですね。』
    と、ありますが、逆ではないでしょうか?

    お仕事頑張って下さい。

  3. >器用人
    マンション管理士はイマイチ立ち位置がわかりにくいですね。
    能力より、ビジネス的なセンスがないとやってけないでしょうね~。

    >新米理事
    バッチリ間違っています!
    ありがとうございました、修正しました!

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