法律の読み方の解説(超初級の内容)

法律の読み方の初歩。

私が二級建築士を受ける時につまづいたのはこの辺でしたので、シェアします。

目次の読み方

区分所有法で解説します。区分所有法は↓

http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=337AC0000000069

まずは、目次をご覧ください。

  • 第一章 建物の区分所有
    • 第一節 総則(第一条―第十条)
    • 第二節 共用部分等(第十一条―第二十一条)
    • 第三節 敷地利用権(第二十二条―第二十四条)
    • 第四節 管理者(第二十五条―第二十九条)
    • 第五節 規約及び集会(第三十条―第四十六条)
    • 第六節 管理組合法人(第四十七条―第五十六条の七)
    • 第七節 義務違反者に対する措置(第五十七条―第六十条)
    • 第八節 復旧及び建替え(第六十一条―第六十四条)
  • 第二章 団地(第六十五条―第七十条)
  • 第三章 罰則(第七十一条・第七十二条)
  • 附則

本則と附則

簡単なところから行きましょう。

法律は、

  • 本則(本文が書かれた部分)
  • 附則(補足が書かれた部分)

から構成されます。

本則は、「法令におけるメインの部分」です。本則の部分が、法律の大部分のボリュームを占めます。

附則は、「補足的な事項が書かれている部分」です。例えば、「いつからその法律が実行力を持つか」といったことが書かれています。

試験に出るのも99%は本則の部分なので、あまり附則について細かく見る必要はないと思います。(附則の部分は、テキストに補足的な根拠として提示されている程度かと思います。いずにせよ、重要な部分ではありません)

「総則」の部分は必ず読み込む

本則の中でも、特に第1章は「総則」と呼ばれる部分で、大切です。「その法律における基本的な部分」を説明しているからです。

内容は、例えば「法律の目的」であったり、「言葉の定義」であったり、です。

大切なので総則の部分は一通り読む”べき”なのですが。

その中でも特に「言葉の定義」の部分については、気合を入れて読み込んでください。これがないと共通の理解が得られません。

区分所有法であれば、

(定義)
第二条 この法律において「区分所有権」とは、前条に規定する建物の部分(第四条第二項の規定により共用部分とされたものを除く。)を目的とする所有権をいう。 
2 この法律において「区分所有者」とは、区分所有権を有する者をいう。
3 この法律において「専有部分」とは、区分所有権の目的たる建物の部分をいう。
4 この法律において「共用部分」とは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物及び第四条第二項の規定により共用部分とされた附属の建物をいう。
5 この法律において「建物の敷地」とは、建物が所在する土地及び第五条第一項の規定により建物の敷地とされた土地をいう。
6 この法律において「敷地利用権」とは、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利をいう。

の、部分です。

テストの問題文(あるいは条文の内容)を理解するうえで、「定義」はとても大切です。

区分所有法に限らず、あらゆる法令において、「問題文の日本語が理解しづらい」と感じる原因の一つには、「言葉の定義があいまいだから、出題者の意図がつかめていない」という可能性があります。

法律の番号付けのルール

編、章、節、款、目

区分所有法では、目次に「章」「節」という呼び方が登場しました。

これは、カテゴリー分けの話です。

呼び方は「章」「節」以外にもあり、それが「編、章、節、款、目」です。

ウィキペディアからの引用になりますが、以下のように説明されています。

条文が多い法令について、条文を論理的な体系に基づいて区分する必要がある場合には、まず(しょう)で区分し、章の中を細分化する必要がある場合には、章の中に(せつ)を設ける。さらに細分化する必要がある場合にはレベル順に(かん)、(もく)といったものを設ける。
章よりさらに上位レベルで区分を設ける際には(へん)が設けられる。
章などには標題が付され、例えば「第○章 ○○」「第○節 ○○」のように表記される。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%B3%95%E4%BB%A4%E3%81%AE%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E5%BD%A2%E5%BC%8F

区分所有法は、条文が少ないせいか「章」と「節」しか登場しませんが、もっとボリュームが多い法律、例えば民法であれば「編」から「目」まで全部登場します。

民法の原文は↓です。少し覗いてみると、区分所有法とはボリュームが違うことがわかるはずです。

http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089

「条」のカテゴリー分け

先ほどの、「編、章、節、款、目」では、大きなカテゴリー分けをしました。

まとめると、

  • 編(大きなカテゴリー)
    • 章(中規模のカテゴリー)
      • 款(小規模のカテゴリー)
        • 目(一番小さなカテゴリー)
          • 条(条文、決め事)
          • 条(条文、決め事)
          • 条(条文、決め事)
          • 条(条文、決め事)

こんなイメージです。これらがたーくさん並んでいるのが法律です。

伝わりますか~?

名、項、

「条」は、更に細かく「項」「号」に分けられます。

今回は、建築基準法施行令から引用します。(区分所有法にはいいのがなかったからです、他意はありません)

第百十六条 法第二十七条第三項第二号の規定により政令で定める危険物の数量の限度は、次の表に定めるところによるものとする。

(表省略)

第百十六条の二 法第三十五条(法第八十七条第三項において準用する場合を含む。第百二十七条において同じ。)の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、次の各号に該当する窓その他の開口部を有しない居室とする。

赤で色を付けたところ、「第五十六条」と、「第五十六条の二」がありますよね。これが条名です。

項と号

項→緑」号→黄」で、表現します。

第百十六条 法第二十七条第三項第二号の規定により政令で定める危険物の数量の限度は、次の表に定めるところによるものとする。

(表は省略します)

2 土木工事又はその他の事業に一時的に使用するためにその事業中臨時に貯蔵する危険物の数量の限度及び支燃性又は不燃性の圧縮ガス又は液化ガスの数量の限度は、無制限とする。
3 第一項の表に掲げる危険物の二種類以上を同一の建築物に貯蔵しようとする場合においては、第一項に規定する危険物の数量の限度は、それぞれ当該各欄の危険物の数量の限度の数値で貯蔵しようとする危険物の数値を除し、それらの商を加えた数値が一である場合とする。

第百十六条の二 法第三十五条(法第八十七条第三項において準用する場合を含む。第百二十七条において同じ。)の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、次の各号に該当する窓その他の開口部を有しない居室とする。
一 面積(第二十条の規定より計算した採光に有効な部分の面積に限る。)の合計が、当該居室の床面積の二十分の一以上のもの
二 開放できる部分(天井又は天井から下方八十センチメートル以内の距離にある部分に限る。)の面積の合計が、当該居室の床面積の五十分の一以上のもの
2 ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた二室は、前項の規定の適用については、一室とみなす。

注目すべきポイントは、「数字が漢数字か否か」です。

緑の部分(項)は、「アラビア数字(2~7)」ですよね?

黄色の部分(号)は、「漢数字(一~四)」ですよね?

実際の条文の呼び方

ここが一番ややこしいポイントです。

第百十六条 法第二十七条第三項第二号の規定により政令で定める危険物の数量の限度は、次の表に定めるところによるものとする。

(表は省略します)

2 土木工事又はその他の事業に一時的に使用するためにその事業中臨時に貯蔵する危険物の数量の限度及び支燃性又は不燃性の圧縮ガス又は液化ガスの数量の限度は、無制限とする。
3 第一項の表に掲げる危険物の二種類以上を同一の建築物に貯蔵しようとする場合においては、第一項に規定する危険物の数量の限度は、それぞれ当該各欄の危険物の数量の限度の数値で貯蔵しようとする危険物の数値を除し、それらの商を加えた数値が一である場合とする。

第百十六条の二 法第三十五条(法第八十七条第三項において準用する場合を含む。第百二十七条において同じ。)の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、次の各号に該当する窓その他の開口部を有しない居室とする。
一 面積(第二十条の規定より計算した採光に有効な部分の面積に限る。)の合計が、当該居室の床面積の二十分の一以上のもの

二 開放できる部分(天井又は天井から下方八十センチメートル以内の距離にある部分に限る。)の面積の合計が、当該居室の床面積の五十分の一以上のもの

2 ふすま、障子その他随時開放することができるもので仕切られた二室は、前項の規定の適用については、一室とみなす。

太い枠で囲った部分の呼び方は、「建築基準法施行令第116条の2第1項第二号」です。

分かりやすくするため、色分けをします。

「建築基準法施行令第116条の2第1項第二号

このように呼びます。

問題文や、条文では、単に「建築基準法施行令第116条の2第1項第二号」と呼ばれていますが、これ、探せますか?

探せなければ、法令を読むことができません。法令に携わる仕事をするなら、これは知っておいたほうがいいです。

理解しがたいポイント1 勝手にアラビア数字に置き換えられる

第百十六条の二」と漢数字で書かれた表記は、通常、アラビア数字に置き換えられます。

だから、見た目で「百十六」を探しても見つかりません。

これは、縦書きと横書きの違いによって発生する齟齬なのですが、知らないと、とてもわかりにくいです。

理解しがたいポイント2 「第1項」は、書かない

次に、「第1項」。

これ、探してもどこにも出てきませんね?

それは、↓のように、数字が隠れているからです。

第百十六条の二 法第三十五条(法第八十七条第三項において準用する場合を含む。第百二十七条において同じ。)の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、次の各号に該当する窓その他の開口部を有しない居室とする。

上の条文は、本当は、↓のような「1」が隠れているのです。

第百十六条の二 1 法第三十五条(法第八十七条第三項において準用する場合を含む。第百二十七条において同じ。)の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、次の各号に該当する窓その他の開口部を有しない居室とする。

よーく注意してみてください。

次の条文は、「1」がなく、「2」から始まってませんか?

同様に、第百十六条(116条)も「1」が隠れています。

第百十六条 1 法第二十七条第三項第二号の規定により政令で定める危険物の数量の限度は、次の表に定めるところによるものとする。

理解しがたいポイント3 「建築基準法」のことを「法」という

第百十六条 法第二十七条第三項第二号の規定により政令で定める危険物の数量の限度は、次の表に定めるところによるものとする。

これを例に挙げましょう。

「法」第二十七条第三項第二号の規定とありますね。

ここでいう「法」とは、「建築基準法」のことです。

なので、きちんと表現すると、「建築基準法第二十七条第三項第二号」です。

なのに、「建築基準法」が省略されて「法」と表現されています。

なお、「法」とは、建築基準法だけを指す言葉ではなくて、法令によってフレキシブルに変化します。

例えば、民法で「法」という表現があれば、その場合の「法」とは「民法」を指します。

条文の読み方の階層まとめ

改めて整理すると、

  • 編(大きなカテゴリー)
    • 章(中規模のカテゴリー)
      • 款(小規模のカテゴリー)
        • 目(一番小さなカテゴリー)
          • 条(条文、決め事)
                • イ、ロ、ハ…
                  • (1)(2)(3)…
                    • (i)(ii)(iii)…

という階層になっています。

イロハ以下は説明しませんでしたが、同じルールです。ここは特に間違える要素はないかなー、と思います。

「又は」、「もしくは」の使い分け

ここも大切。

英語ではどちらも「or」ですが、日本語では使い方が微妙に違います。

「又は」の使い方

同じグループを分ける場合に使います。

例えば、

「自動車 又は 電車」で北海道に行く

と表現すれば、同じ「乗り物」というカテゴリーでわけていることがわかります。

自動車か電車、どちらかで北海道に行くんだね、と。

3つ以上で分ける場合は、

「自動車、電車、又は飛行機」という風に、最後だけ又はを使います。

「もしくは」の使い方

「又は」はで大きなグループ分けを行い、小さなグループでは「もしくは」を使用します。

例えば、

自動車、電車もしくは新幹線又は自転車もしくは三輪車」で北海道に行く。

とすれば、自動で動く乗り物である「自動車 電車 新幹線」と、人力で動かす「自転車 三輪車」を、区別して表現していることが分かります。

同じ文脈(or)でつながっているからと言って、自動車と自転車を同じものと認識して問題を解くと、間違った回答にたどり着く可能性があります。

その他の法律用語

ほかにも、法律独特の表現があります。

例えば、「善意」「悪意」という表現です。

法律用語においては、「良い」「悪い」といった意味はなく、「善意=知らない」「悪意=知っている」という意味です。

(どうやら、日本語訳の時点でいろいろあってこうなったみたいです)

おわり

「あれ?」と思ったらにネットで調べる

ここで書いたお話は、全部ルールの話です。

なので、知っているか、知っていないか、それだけ。

知らないことはネットで調べると、点数上がります。

おかしいなー、と思ったら、まずはネットで検索かけてみてくださいね~。

ABOUT ME
はじめちゃん!
はじめちゃん!
分譲マンションを管理する会社に勤めています。 資格:管理業務主任者/マンション管理士/宅地建物取引主任士/マンション維持修繕技術者/二級電気工事士/建築業計理士二級/二級建築士/1級船舶免許

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