機械式駐車場

マンション機械式駐車場の撤去(埋戻し)に関する注意事項まとめ

マンションでの地下ピットがある機械式駐車場の撤去に関する注意事項を紹介します。

最近は、特に増加傾向の案件ではないかと思います。

工事的には穴を埋めるだけですからそれほど難しいわけではありませんが、マンション特有の事情である「住みながらの工事」というあたりの複雑さもあり、マンション管理会社の現場担当として、調整の難易度は若干高めかと思います。

見積から発注までのフロー

分譲マンションに限った話ですが、概ね、以下のような流れとなります。

  1. 機械式駐車場の撤去についての基本的な合意を得る
  2. 設計仕様の決定
  3. 見積もり参加業者の選定
  4. 見積もり依頼
  5. 開札、業者選定
  6. 総会決議
  7. 契約締結、実施

機械式駐車場の撤去についての基本的な合意を得る

「1機械式駐車場の撤去についての基本的な合意」は、必要というわけではありませんが、あったほうが良いと私は思います。

本件は、マンションにとっては非常にデリケートな意思決定となります。

理事会で独自に活動を開始するよりも、可能であれば、総会などの場で事情を説明し「撤去の検討を開始すること」についての基本的な合意はあったほうがスムーズでしょうね。

「理事会が暴走している。まずはアンケートなどで全体の意見をまとめてから行うべきであろう」と、独自の「筋論」を持ち出し反対に回る人が現れる可能性がありますから、そういった意見を形式上、封殺するためです。

彼らは、要するに「俺の許可を取れ」と言いたいわけです。

総会で合意を得ておくというのは、そういう方を推進派に巻き込むための根回し、ということになります。

なくても構いませんが、あったほうが無駄な手間が減って楽です。

なお、検討のスタートに決議が必要なわけではありませんから、総会に出席している方に事情を説明し、議事録に残し広報する程度で十分かとは思います。

設計仕様の決定、見積もり参加業者の選定について

設計事務所等のサポートがあれば心強いですが、多くのマンションでは専属契約を行っていないでしょうから、設計は別契約となり費用がかかります。

耐力計算が必要であれば設計事務所に依頼するしかありませんが、今のところ、「全部埋め戻す場合についての耐力計算は不要」、と設計事務所に言われて計算をしたことはありません。

部分的に埋戻し擁壁を作るの場合は、構造計算が必要、と私は指摘を受けました。

【追記】

マンションの地下を埋め戻す場合などは、偏心率が変わる可能性があるとのご指摘をいただきました。この場合、構造計算が必要ですね。

個別のケースによるでしょうから、埋戻しをご検討の方は、一度、設計事務所等の専門家にご相談ください。

設計事務所のサポートがない場合は、管理組合で設計仕様を決定することはおそらく困難です。

工事費全体から見ると設計費はそこまで大きな額ではないので、専門家に依頼をするのも視野に入ります。

もし、工事業者のつてがあるようでしたら直接見積もり依頼をしても良いのですが、本件は、駐車場の移動指示や広報といった付帯する事務的な業務があり、地場の工事業者がコントロールするには少し難易度が高いです。

具体的には、大規模修繕工事を実施できる程度の事務スキルが求められます。

多くの工事業者は、「工事をするだけ」しか請け負いません。その場合、工事中の替わりの移動先駐車場を探したり、契約者へ移動指示をしたり、といった雑務を理事会がこなす必要があり、そしてこれらは想像以上に大変です。

設計~施工までの一連の業務を、設計者の指示なしに理事会が満足できるレベルでこなせる業者というのは、実のところそれほどいないのでは、というのが私の実感です。(というより、営業担当者の能力次第です)

もちろん、工事とは切り離して管理会社にそれら雑務をまかせても十分にこなしてくれるでしょうが、しかしその場合は別途費用を請求されるはずです。

時間も手間も取られる面倒な作業なので、できれば請けたくはない作業のわりに、あまり高額な費用を請求しづらいので、管理会社はこれを嫌うかと思います。

ざっと費用を計算すると、

  • 駐車場探す=0.5人工
  • 契約業務=0.5人工
  • 移動依頼書面作成及び手配=1人工
  • 合計=2人工×3.5万=7万円くらい(かな?)

規模にもよりますが最低でこんなもんでしょう。(私はもっと高くてもいいと思っていますが)

しかし、この費用を管理会社が組合に請求できるかというと、「委託の付き合いで安くできるでしょ」と値切られたりするわけで、管理会社にとってはいいことありません。

とはいえ組合に頼られると断りづらいことも事実なので、最初から「できる業者を選ぶか、理事会でしてくださいね、管理会社はしないですから」と言っておきましょう。その前提があればこそ、高い見積もりを堂々と出せる(またはお金で買えない恩を売れる)というものです。

いっそのこと「管理会社に設計及び施工見積もりを任せる」というのも十分にありではないかと思います。適切な設計、工事監理、住民交渉が行える確率がもっとも高いのは、管理会社かな、と。(私はそう思う、という話なので好きにしていただいて構いませんが)

おそらくそれが最も満足度が高く、また、理事会側の手間も少なく、また、リスクが回避できるのかなと。

管理会社に任せる場合、設計仕様は管理会社が決めますから、理事会は見積もり参加業者の選定を行うだけで良いです。もしくは管理会社と請負契約を結ぶのであれば、業者選定は不要です。

現場の本音

現実的には、「工事費用がわからなければ資金計算ができず、現状維持と撤去、どちらが良いのか損得勘定ができず検討が始まらない」というのが現実でしょう。

「概算でも良いから見積もりを出してくれないか」が一番言いやすいのは、普段から付き合いのある管理会社でしょうね。

仕様決定での注意事項

撤去して穴を塞ぐだけ、といえば簡単ですが、だからこそ業者が見落としがちなポイントがいくつかあります。

雨水排水に注意

機械式駐車場の地下ピットがある場合、多くのケースで勾配は地下ピットに向けて付けられています。

ですので、雨水が撤去後の埋戻し部分に向けて流れてきます。穴をただ埋めただけでは水たまりができてしまうので、側溝を入れるよう指示をしておくと良いです。

契約者の代替駐車場の手配

代替駐車場を探すのは結構たいへんです。

マンション周辺の駐車場の探し方マンション運営の中で、「マンションの周辺で駐車場を探さないといけない」という機会に遭遇したことはありませんか? よくあるのは、大規模修...

こればかりは、実際にやってみないと実感としてわからないかもしれません。用地を探すことから始まり、不動産会社との契約や支払い、住民への案内など。文字で見るよりも手間と時間がかかります。

このあたりは、最初から見積もりに含めてもらうようにしておきましょう。あとから個別に請求するとなると、住民の理解が得られにくいです。

1000万円の見積もりの経費が10万円増えても誰も目くじら立てませんが、なにもないところから「追加で10万円払ってね」は受け入れがたい、という話です。

理解を得る上で、見せ方も大切な要因の一つです。

代替駐車場のコインパーキング利用は難しい

近隣のコインパーキングを利用していただいて後から精算する方法もあります。

しかし、機械式駐車場を撤去するような工事の場合、移動台数もそれなりに多くなりますから、近隣のコインパーキングでその台数がまかなえるかどうかはかなり疑問です。

急に数十台もの需要が増した場合、「近くのコインパーキングが全部満車で停められない」という問題が発生するかもしれません。

あるいは単純に、それが原因で近隣の駐車環境にも迷惑をかける可能性があります。やはり好ましくありません。

また、工事は1ヶ月~2ヶ月程度かかりますから、領収書の管理も煩雑になりがちです。

工事の条件次第ですが、月極駐車場を借りたほうが良いでしょう。

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機械式駐車場の撤去は特別決議

機械式駐車場の撤去は、区分所有法第17条に定められた特別決議であると考えられます。

共用部分の変更

第十七条 共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。

区分所有法より抜粋

機械式駐車場を撤去するということは、マンションの共有設備がなくなるということです。

また、駐車場区画が減るということでもありますから、住民の生活に著しい変化が生じる可能性があります。

であれば、効用の著しい共用部分の変更である、という考え方から、特別決議であると認識するのが一般的な解釈です。

機械式駐車場の撤去は「特別の影響」にあたるか

区分所有法と管理規約の2つの制限を受けます。

区分所有法の制限

区分所有法第17条

1 共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。

2 前項の場合において、共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない。

区分所有法より抜粋

以下に説明する標準管理規約では専有使用権についても触れられています(規約第2条)が、区分所有法では専有使用権については定められていません。

なぜかというと、区分所有法では専用使用権についての記述がないためです。

区分所有法では、専用使用権について定められていません。

したがって、条文も「共用部分の変更が専用部分の使用に」とあります。

駐車場を変更したとしても専用部分の使用に影響はないでしょうから、区分所有法では問題ないと認識して良いと思います。

管理規約の制限

問題は、こっちですね。

標準管理規約第47条第8項
第3項第二号(※1)において、敷地及び共用部分等の変更が、専有部分又は専用使用部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分を所有する組合員又はその専用使用部分の専用使用を認められている組合員の承諾を得なければならない。この場合において、その組合員は正当な理由がなければこれを拒否してはならない。

※1 第47条第3項第二号
次の各号に掲げる事項に関する総会の議事は、前項(※2)にかかわらず、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する。
一(略)
二 敷地及び共用部分等の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないもの及び建築物の耐震改修の促進に関する法律第25条第2項に基づく認定を受けた建物の耐震改修を除く。)

※2 第47条第2項(前項のこと)
2 総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決する。

標準管理規約(単棟型)より抜粋

「専用使用部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは」とありますね。

駐車場の利用は、共用部分を特定の方に専用使用させているものですから、専用使用部分にあたります。

なので、特別の影響を及ぼすかどうかをジャッジする必要があります。

上記は、標準管理規約の条文です。マンションによって規約は違いますのでご注意を。

機械式駐車場の撤去は、特別の影響を及ぼすか

非常に判断に迷います。というより、マンション固有の環境に大きく左右されますので、画一的な答えはありません。

ケースバイケースで両方の考え方ができますから、一旦ここについての細かな言及は控えておきます。

揉めたときには、最終的には裁判で決着をつけるしかなくなります。

実際に裁判をするかどうかは別としても、専門家の意見を求めてください。

正当な理由がなければこれを拒否してはならない

重要なことは、その後に、「その組合員は正当な理由がなければこれを拒否してはならない」と続くことです。

正当な理由ってなに? という点の判断もやはり分かれるでしょうが、撤去が必要であるから撤去するわけで、そしてそれは組合運営にとって正当なことでしょう。

そうした準備を経て決議しているわけですから、当然、それには正当な理由があるはずです。であれば、拒否されることはないのかなー、と。

具体的にどう、というのは個別のケースなのでなんとも言えませんが。

例えば、敷地内で空き区画が複数あり、機械式駐車場の区画がなくなっても移動先が補えるようなら、機械式駐車場設備は無用の設備、という考え方ができます。敷地内で移動をお願いすることは、妥当な判断と考えて良いでしょう(私が担当した案件はすべてこのケースで、問題はでていません)

この場合に移動を拒否することは合理的ではなく、管理組合は「契約者側には正当な理由がない」ことを理由に移動を指示できると考えて良いと思います。(使いやすい使いにくいはあるでしょうが、そのあたりは料金の値引きなどでご理解いただくことが一番手っ取り早いかと思います、条件や交渉次第ですが)

問題は、「どこにも移動先がない」という場合ですね。

「敷地内駐車場が満車となるにもかかわらず機械式駐車場を撤去する合理的な理由」というのが、私には今ひとつピンきませんが、まあ、そうするに至る何らかの理由があるとして。

頭を悩ませる状況ですが、これはもう、「公平に、マンション全体で新たな区画割りを考え直す」ほかないのかなーと思います。具体的には、新規に抽選する、とかですね。外れた方には敷地外かどこかへ移動していただくしかありませんが、そのあたりもお金で解決するしか無いのかなという気はします。

標準管理規約コメントのように、入れ替え制に移行するのも一つの解決手段のようには思います。(可能であれば、ですが。現実的には、敷地外に駐車場を購入または組合で賃貸借契約をして入居者に又貸しする、という方法になると思います、非常に手間ですね、管理会社の采配で行うのであれば別途料金をいただきたいところです)

特別の影響に当たるか否かを心配する前に考えるべきこと

規約の条文を正しく読むことも大切ですが。

まずもって、撤去予定の区画を利用されている方とは、事前に協議をしてくださいね。

当事者がどのような考えを持っているのかを知って、双方が誠意を持って解決に向けて話し合いをする、というのが正しい姿です。

機械的に追い出してしまうと後に残りますし。

これは、ルールではなく、人と人との付き合いの中で解決しないといけないことで、そもそも規約だとか法律だとかを持ち出す話ではないように私は思います。

ルールを持ち出して喧嘩するのは、もっとずっとこじれた先の話です。

駐車場の賃貸借契約書では理由がなくても解除可能

若干余談ですが。

駐車場を使用する際は、管理組合と区分所有者双方が「駐車場賃貸借契約書」を交わし契約していると思います。

その条項に、解除に関する規定がありませんか?

契約書は物件固有のものですから確たることは言えませんが、「申し出があった場合は○ヶ月後に解約できる」みたいなことが書かれているのではないかと思います。

このような記載があれば、条文通り、特に理由がなくとも申し出さえ行えば解除可能です。(住居ではありませんから、借地借家法の適用外で、解除に正当事由は不要です)

もちろん、「ルール通り明け渡しを」と機械的に申し入れたのでは揉めますから、そのような言い方はおすすめできませんけれど、しかし、このようにもともと解約も可能であることは管理組合として認識しておいたほうがよいのかな、と。

ただし、ここは契約書次第です。マンションの規約や契約書をご覧ください。

撤去工事の見積もりを依頼するときに注意すること

機械式駐車場 撤去方法

  • 機械式駐車場を撤去する
  • 水抜き用の穴を地下に開ける
  • 土砂で埋める
  • 転圧(土を押し固めること)する
  • コンクリート(もしくはアスファルト)で仕上げる

という流れです。

撤去時は大きな音が出るので注意

工事中は大きな音が続きます。

特に、鉄骨を切るときはかなり大きな音が出ますので、住民だけでなく、周辺にも案内しておいたほうがいいです。

撤去後は穴が空くので注意

撤去後は、土砂を埋めるまで、2メートル程度の深い穴が空きます。

カラーコーン程度の注意喚起になります。

フェンスバリケードで囲ってしまうのも逆に危ないのでやりません。危ない理由は、支えがないので、よりかかると全体的に落ちてしまうリスクがあること。そして、フェンスで囲ってしまうと一見、穴が空いていることがわからないので、ユーザーが注意しなくなって余計に危ないこと、などです。

もちろん、安全対策のために警備員を手配してもよいのですが、その分コストが上がるので、そこは相談ですね。毎夜となると、結構費用は相当かさみますから。

駐車場附置条例にも(一応)注意

地域で、駐車場の設計に関する条例が設定されています。

100戸のマンションなら、○台以上の駐車場が必要ですよ、と条例で決まっています。

特にチェックがあったりするわけじゃないんですが、条例は条例なのでご注意ください。

鉄板置き換え工法の有用性は?

機械式駐車場の撤去をする場合の工事は、多くの場合は土砂で埋め戻しますが、そうではない選択肢もあります。

既存の機械式駐車場を撤去し、そこに梁や柱を作り、鋼板を敷いてデッキを作る工事です。

ちょっと説明が難しいので、実際に提案されている業者さんのサイトでご確認ください。

同社からではなく他社から提案を受けたことがあります。が、最終的にこの工法は見送りました。

理由は、

  1. 継続して排水ポンプの維持コストが必要となること
  2. 溶融亜鉛めっき仕上げとはいえ、何十年か後には発錆するものと思われ、その際には塗装の必要が出るためメンテナンスフリーとは言えないこと
  3. 将来の安全性が担保できない(鉄骨の耐久性がわからない)
  4. そもそも安くなかった

いずれ駐車場需要が増し、機械式駐車場を入れ直す可能性もあるのであれば飛びついたと思いますが、全くその予定がないからこそ埋戻しの話になったわけなので・・・。

また、そうでなくとも費用が埋戻しの半値程度であれば検討の余地はあったのかなと思いますが、見積もりをとったときは埋戻し工事よりも高かったんですよね。意味がわからん、ということで素直に埋め戻しを選択しました。

上記の業者は、マンション管理新聞に広告がでていて知りました。実績もあるようですから、どうでしょうね。

価格は、サイトに公開されているリース料金から逆算すると、フムフム、って感じです。

埋戻しができない場合は、デッキ新設工法が有効

埋戻しのために構造計算が必要で、その結果、通常の埋戻しができない、または非常に高度な工事が必要な場合があります。

その際は、土砂で埋め戻さず、本件のような鉄板での置き換え工法を選択すると構造計算の必要がなく、有利に働くようです。

埋め戻しができない場合は、金額の問題ではないでしょうから、有効ですね。

撤去埋戻しの工事費用について

廃材の購入価格だとか、コンクリートの相場によって大きく変わるので一概には言えませんが、「新規に機械式駐車場を入れ替えた場合の半値よりは多少安い程度」が目安になるかと思います。(2段式の経験しかありませんから、3段のことはよくわかりませんが)

とはいえ、工事のやりやすさだとか、台数によっても変わると思います、このあたりは個別に見積もりをとらないとわからないと思います。

参考:機械式駐車場の要否について

機械式駐車場の維持コストと、駐車場収入を天秤にかけた場合、どちらにメリットがあるのか、ということをまずは考えることになります。

維持コストは、二段式の場合で、月あたり約1万円ほどかかります。

機械式駐車場(二段式)の修繕費用機械式駐車場(二段式)の修繕費用を調べましたので共有します。 機械式駐車場(二段式)の部品別修繕費用と修繕周期 部品名 ...

多少の空きがあったとしても、修繕コスト以上の経費が回収できるようなら問題はないですが、契約者が減少し始めると判断が難しくなってきます。

私の担当する案件では、すべてのケースで、契約者全員がいなくなるまでは機械式駐車場の運用を継続しました。(最終的に残った数名の方には撤去しない区画に移動してもらいました)

このようなケースであれば円満でしょうが、敷地外への移動が必要となる場合は、非常に困難な交渉になると思います。

マンションの共益の設備ですから、事業のように、判断基準はお金だけではありません。管理運営の最重要なミッションは、「住人が住みやすいマンションとすること」ですから。

機械式駐車場のメンテナンスの停止は可能か

撤去が難航した場合の次善策として、メンテナンスを停止させ、上段のみ利用することも視野に入ります。

しかし、機械式駐車場のパレットはチェーンで常時浮いた状態ですから、メンテナンスを完全停止させると、チェーンの劣化から事故リスクが増加します。

実際には多少メンテナンスをストップさせたところで何が起こるわけではないかもしれませんが、リスクを考えると、駐車場運営者である理事会としては容認し難いですね。

せめて、半年に1回程度は点検をいれて、定期チェックをしておいたほうが良いと思います。

詳細は、メンテ契約業者と打ち合わせをしてみてください。

駐車場の不備は管理組合の責任

駐車場運営上の不備は、管理組合の責任となります。

仮に、機械式駐車場の動作がしないことによって何らかの不都合が起こった場合は、タクシー代だとかの補償を求められた場合に請求に応じなければなりません。

撤去はすごくデリケートなことなので慎重に判断を

金額的にも、内容的にもマンションにとって大きなことですから、最低でも1年程度はかけてゆっくりと準備をしたほうが良いでしょうね。

私が担当した案件では、3年~5年程度かけて実現しました。

冒頭でも述べましたが、本件は非常にデリケートです。

「メンテ費用がもったいないから」と、あまりに短期間で決議を急ぎすぎると、反対派が慎重派を抱き込み勢いづくことがあります。その場合、協議そのものを中断せざるをえない結果となりかねません。

マンションはいろいろな方が住んでいますが、その多くは素人です。

費用などを総合的に勘案した合理的な判断を優先させるより、「よくわからないし変化は不安なので現状維持を望む」という意見は、想像以上に多いです。

そういったふわっとした無形の意見が障害となることもありますから、注意深く動向を見守り、嫌がっている声が大きいようなら、納得できるように時間をかけてゆっくりとマンション全体の方向性を誘導する必要があります。

ABOUT ME
はじめちゃん!
はじめちゃん!
分譲マンションを管理する会社に勤めています。 資格:管理業務主任者/マンション管理士/宅地建物取引主任士/マンション維持修繕技術者/二級電気工事士/建築業計理士二級/二級建築士/1級船舶免許

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