セブンネットショッピング
20%(最大6000円)還元キャンペーン実施中
11月30日まで
組合運営

分譲マンションで、会社設立の事務所利用(登記)をしてよいのか?

個人事業主として事業を行う場合、「所有しているマンションを事務所として利用(もしくは登記)したい」というのはよくあるケースかと思います。

特に、パソコンで仕事をしている方や、普段は外で仕事をしていて自宅では事務処理程度しか行わない方などは、『一般の住宅利用と変わらない』ですよね。
ですから、実際に事務所利用したとしても実害がないことも多く、であれば利用、あるいは登記しても構わないというご意見もよく聞きます。

しかし、本当に?
トラブルにならない?
判例は、どのように判断したのでしょうか?

それら疑問を調べましたので共有します。

前半部分が、『1室を事務所として利用する場合』のお話。
後半部分は、『1室を事務所として登記する場合』のお話です。

結論から言うと、

  1. 実態としての事務所利用(教室、来客のある事務所利用など)はダメ
  2. 生活上の変化がない場合(パソコンだけで完結する仕事など)はグレー
  3. 登記はグレー

といったところでした。

法令上、分譲マンションの利用(登記)に制限はない

まずは、法令の面からお話します。

分譲マンションの1室を、会社事務所として利用する、あるいは登記することについては、法令上、禁止されていません。

つまり、自宅件事務所として利用(登記)することには、法令上はなんの問題もありません。「マンション側の利用制限」が問題です。

分譲マンションを事務所利用する場合は、管理規約の制限に注意

一旦登記のことは脇において、利用についてのお話をします。

分譲マンションを事務所利用する場合に障害となるのは、管理規約です。
まず、マンションの管理規約となっているのかを確認する必要があります。

管理規約とは?
マンションのルールブックのこと。
マンション毎に設定されていて、マンションの使い方が記されています。
決まりは絶対で、住まう限りはこれに従わないといけません。

管理規約の確認の方法

購入前であれば、不動産屋さんに確認すれば良いでしょう。
すでに購入しているのであれば、購入した際に管理規約を受け取っているはずです。
(紛失しているようなら、一般的には有料で再発行が可能です。管理会社にお問い合わせを)

管理規約の制限「専ら住居として使用する」規定

本件に関わる管理規約上の制限は、以下の部分です。

区分所有法 第12条(専有部分の用途)
区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。

マンション標準管理規約より抜粋(PDFファイル):http://www.mlit.go.jp/common/001202416.pdf

管理規約は、マンション毎に違います。

しかし、多くのマンションは、国土交通省が定めた『マンション標準管理規約』に基づいて管理規約を作成しています。

特に、本件については、ほとんどのマンションが同じ文言を採用していますので、それに基づいてご説明します。

もし、管理規約に、上記とは違った内容の記載がある場合は、ここに書いたことはそのまま通用しないかもしれません、ご注意。

『専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない』の意味

専ら、とは、「もっぱら」と読みます。
専念するとか、集中するとか、そういう意味です。
つまり、『住宅としてのみ使用しなさい、他の使い方はダメですよ』という意味です。

ここで問題となってくるのが、『住居として使用』の範囲です。

事務所利用は、専ら住居としての利用にはあたるか否か。
ですが、一般的な事務所として利用する場合は、やはり住居ではないですよね。

例えば、

  • 不動産の事務所として利用する
  • 弁護士事務所として利用する
  • 英語教室をする
  • 手芸教室をする
  • ネイル施術をする

などが該当します。

これらは、『専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない』と規定されいている多くの分譲マンションでは実現しません

はじめちゃん
はじめちゃん
逆に、その規定がなければ可能とも言えます。管理規約をご確認いただくとともに、マンションの管理組合(または管理会社)へお問い合わせください

事務所や、教室としての利用を禁止する目的と理由

一般の分譲マンションは、住居として設計・利用されています。
そこで住んでいる方は『静かに暮らしたい』という気持ちの方が多いですよね?

『静かな環境』に、事務所の存在は適切でしょうか?

住宅を営業利用した場合に考えられる問題としては、

  • お客さんや関連業者さんが頻繁訪問することによる、セキュリティの低下
  • オートロックの機能低下
  • 顔見知り以外の方がマンション内に頻繁に出入りすることの心理的な不安
  • 来客駐車場の利用問題
  • 音の問題
  • エスカレートした場合の対応
  • 後々、やむを得ずルール変更を行う場合に事業をやめていただくことができるのか?(利権問題)

など。

もちろん、「いやいや、ほとんどお客さんなんて呼ばないよ。だいいち、それって友達を呼ぶのとどう違うの?」というご意見もごもっともなのですが・・・。
とはいえ、ルールを決める側としては、その線引は難しく、また、エスカレートした場合にトラブルに繋がる可能性も否めません。

判例をみよう!

本件を争った判例があるのでご紹介します。

http://kanrikyo.or.jp/oyakudachi/pdf/vol12_04.pdf

※PDFが開きます。

大モメにモメているようで、内容が脇道にそれている部分もあり、すごく伝わりにくいのですが・・・。内容をかいつまんでご紹介しますと、

内容:マンションの1室を、税理士事務所として利用することは、良いか悪いか。

判決:ダメ。

って感じですね。
もう少し詳しく解説します。

【経緯と、判決の内容】

  • マンションの1室を、Aさん(判決文では「乙山太郎(被控訴人)」が税理士事務所として利用していて、今後も利用したい。
  • マンションのルール(管理規約)によると、昔は事務所利用はOKだった。また、他の人も事務所として利用していた事実もあった。
  • マンションのルール(管理規約)を、以下のように変更した。
    『区分所有者は,その専有部分を専ら住宅として使用するものとし,他の用途に供してはならない。』
  • 管理組合はルール変更を行った上、マンションの事務所利用をなくすように働きかけた。働きかけにより、複数の方が事務所利用をやめた事実もある。
  • その他の細かい事情(総会が適切に行われたか否かや、Aさんが組合からいけずされているとの主張したことや、組合が二枚舌だ!と主張したことなど)は、まとめて『理由がない』とされた。
  • 結果、裁判所は、事務所利用はダメと判断した。

本件で重要なポイントは2点だけです。

前提として、管理規約で『区分所有者は,その専有部分を専ら住宅として使用するものとし,他の用途に供してはならない。』というルールが定められている場合の事務所利用は、

  • 規約義務違反行為である
  • 区分所有法57条にいう「区分所有者の共同の利益に反する行為」である。
    ※この規定は、『住居としての環境を確保するための規定』である。

この2点については、実は裁判でもほとんど争われていません。
当たり前なので特に争うこともなかったのでしょう。

つまり、事務所利用はごく当然として認められない、ということでしょう。

フリーランスの仕事でも、事務所利用はダメ?

上記の裁判は『税理士事務所が良いか否か』です。
判例からは読み取れませんが、職員の通勤があったり、来客があったりしていた可能性が高いです。要するに、『平穏な住居としての利用』ではなかったのでしょう。

それを、お客さんが自宅に来ることもないようなフリーランスの仕事と同等に扱うのはどうか? という問題があります。

どうしても、言葉と表現すると『事務所としての利用』になりますが、実態は『パソコンで仕事をしている。来客もない。騒ぐこともなく、見かけ上は一般的な住居と何ら変わらない』という程度であれば、「住居としての環境を確保」できると考えて差し支えないと言えますよね。

さて、ここからが問題です。
この状態を、果たして管理組合として認めるべきでしょうか?

法令ではなく、ルールの話として、です。

認めても実際上特に問題はない、と考えられる一方で、事務所利用を一つ認めると『境界がなくなる=ルールが崩壊する』という懸念もあります。

どちらが正しいというわけではないと思うのですが・・・。

可能であれば、双方歩み寄りを期待したい

最終的には、お互い話し合うしかありません。

こういった紹介もあります。

騙されるな!「居住用賃貸を自宅兼事務所にすると契約違反」は大ウソ

なかなかアオリの効いた記事ですが、このあたりが現実的かつ一般的な『解答』かと思います。ご参考になれば。

はじめちゃん
はじめちゃん
将来的なトラブルを避ける意味でも、管理組合へご相談のうえ、許可を取られること私としてはおすすめします。それが正攻法だとは思います。その結果、「ダメ」と言われることもあるかもしれませんので、難しいのですが・・・

 

事務所としての登記は、営業利用にあたるか?

上記までは、「事務所としての利用」のお話でした。

では、『登記だけ』して、実態としては営業しない場合はどうでしょうか?

これについても様々なご意見もあるのですが・・・、やはり、管理組合の許可を取るのが正攻法だとは思っています。

事務所登記の現実は?

現実には、管理組合に黙って登記する、というケースはままあることです。
また、登記したとしても、それを逐一確認することはまずありませんので、ばれたりすることは、よほどのことがなければないだろうと思います。

ただ、ポストの名前を法人の名義にすると、どうかなー。
名簿の名前が法人なら違和感はないと思いますが・・・。

しつこいようですが、勝手にやった場合のトラブルは全部自分で処理をしないといけません。
良いかどうか、大丈夫かどうか、は別として、結果的に、マンション内での人間関係の悪化につながる可能性もゼロではないですし。

登記としての利用を申請した結果、トラブルが起こることも一つのリスクですが、かといって黙って、というのもリスクではあります。

その他の補足事項

商業地域もしくは準商業地域にあるマンションであれば事務所利用はOK?

調べているときにヤフー知恵袋で見つけたんですが・・・。
さすがにこれは間違いです。

『商業地域、順商業地域』とは、用途地域といって都市計画法の制限です。
都市計画法とは、『その土地にどんな施設を建ててよいか』を決めるルールです。

マンションの『使い方』を決める類のものではありませんから、無視してOKです。
用途地域は関係ありません。

賃貸マンションの場合は?

分譲万所でも、分譲の一部屋を賃貸として貸し出すケース。
この場合、マンションの管理規約の他に、オーナーの意向もあります。入居前に確認なさったほうがよいでしょうね。

賃貸マンションの場合は、管理組合は存在しません。
オーナーに確認したほうが良いと思います。

どうしても事務所利用をしたい、という方が現れた場合の譲歩案は?

この項は、管理組合側、オーナー側の視点のお話です。

ここまでお話したように、ルール上はグレーです。
勝手にやっている方も実際はたくさんいます。

その中でも、きちんと申し出てこられた方ですから、常識的で、かつ、真面目な方です。
断ることも選択肢ですが、そのような方が今後トラブルを起こす可能性はあまり高くないと思われ、一定のルールの中で許可を与えることも、検討の一つではないかと思います。

  • 事実上、事業所としての利用はせず、日常生活以上の利用はしない事。
  • 特別に人の出入りもない事。
  • 何らかの問題が発生した際は、誠意をもって対応する事。
  • 将来、管理組合でルール化がされ、明確に禁止となった際にはそれに従う事。
  • 一つでもルールを破った際は、即座に許可を取り消す事。

このくらいの誓約書でも書いていただいて、ご提出いただいたうえで許可を出す、というのも一つの選択肢ではあると思います。

ABOUT ME
はじめちゃん!
はじめちゃん!
分譲マンションを管理する会社に勤めています。 資格:管理業務主任者/マンション管理士/宅地建物取引主任士/マンション維持修繕技術者/二級電気工事士/建築業計理士二級/二級建築士/1級船舶免許

POSTED COMMENT

  1. 裏方理事長11回目 より:

    コメント

    裏方解釈ではダメです
    事務所登記すること自体が専ら住居ではないことを意味します

    事務所登記するならそういったオフィスを借りるべきです

    >ふぁいと!

    とんでもない
    そんなものに時間をつぶされるのは迷惑
    とんでもないとんんでもない

    そんなのみとめればすべてが崩壊する
    追い出す!

    わらわら(*^_^*)

  2. >事務所登記すること自体が専ら住居ではないことを意味します
    その解釈も否定できないです。

    >そんなのみとめればすべてが崩壊する
    管理会社側も同じ理由で否定している気はしますね。

    グレーな部分ですね。
    ややこしいので先に決めといたほうがいいと思うけれど、その意思決定もややこしいことになるだろう、というジレンマ。

  3. 器用人 より:

     建て替え前、建設会社の社宅として、法人名義で登記された住戸がありました。 社宅ですので家族と共に住宅として使用していますので、他の居住者と居住状況は変わらず、問題も起こしませんでした。 依頼すると社宅にも関わらず、理事にもなっていただき、専門的知識が役に立ちました。 無関心な区分所有者が、いやいや役員になるくらいくらいなら、その方(賃借人)が役員になった方がずっとましです。 以前居住していたマンションでは、お茶、お花の先生がおられ、お稽古に来られる方がありました。 大人数が通行するので賑やか(人によるとうるさいと感じるかもしれません)でしたが、お稽古中は静かで、出入りの時だけにぎやかですので、法事等の多人数の訪問と変わりはなく、問題があったようには聞いていません。 建て替えの際、1階なので、ベランダ側からの入場とサッシの変更を希望されましたが、共用部分は変更できない旨お伝えし、納得していただき、専有部分でお茶のお稽古用に掘り窯をオプションでお付けになりました。堀り窯は掘りごたつと同じく、管理は区分所有者です。 建て替え後も、お弟子さんの駐車問題以外は聞いていませんので、外部駐車場(近所のコインパーキング)の使用をお願いしておきました。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA