総会の流れをご紹介します。
前提として、実際の業務は管理組合(あるいは管理会社)によって違いがあります。なので、本ページの内容は参考程度にしてください。
ここでは、「管理会社が行う」作業として、フローを記載しています。
一部、管理組合の業務ではないものが混ざっていますので、管理組合の方がご覧になる場合は少し注意してください。
マンション管理組合総会の大まかな流れ
大まなか流れとしては、以下の通りです。
- 総会の事前資料を用意する
- 準備理事会で、総会の内容を打ち合わせる
- 総会の開催
- 決まったことの実施
総会運営の実務的なフロー
総会の準備理事会までにすること
- 資料(※1)の準備
- 理事会参加者の日程調整
- 理事会の会場設営
総会を行うためには、「どんな総会をするのか」を理事会で打ち合わなければなりません。
ですので、打ち合わせができるだけの資料を管理会社(フロント)が準備するとともに、理事会の開催のための日程調整などの雑務を行います。
資料(※1)とは?
資料とは、以下を指します。
- 議案書の案
- 管理業務委託契約の重要事項説明書
- 予算書
- 決算書
- 管理事務報告書
- 年間事業報告
フロントが作成する書類がどこまでか、は、会社によります。会社の専門部署が用意するものもあります。(特に、大手であればあるほど、仕組みの中で資料が用意される傾向は強いです)
私の場合、資料の準備には、半日~1日程度かかることが多いです。
ちなみに、入社したときは、資料の準備に、最低でも1週間くらいはかかってました。
準備理事会ですること
- 総会での議案内容の確定
- 委託契約の重要事項の説明
- 総会の日程を決める
- 総会の会場を決める
総会前の準備理事会では、「どんな総会にするのか」という打ち合わせをします。
管理組合側からの意見がなければ、管理会社の作成した資料がそのまま総会資料として採用されることになります。
管理組合の理事会メンバーが議案を提起したりするのが本来なのでしょうが、それは稀ですね。
総会の日程について
通常、日曜日、もしくは土曜日が採用されることが多いです。
比較的古い物件は、伝統的に曜日が決まっているマンションもあり、それが平日の場合もあります。(『第4木曜日』に開催する、など)
土曜日、日曜日に総会が多い。これが、フロントがなかなか休日を取れない最大の理由ですね~。
総会の会場について
マンションのスペース(具体的には集会室や、エントランスホールなど)が、採用されることが多いかとは思います。
マンションにスペースがない場合は、近くの公民館や、貸し会議室などが利用されます。
この準備・手配は、フロントが行います。
理事会終了後にすること
- 理事会議事録の作成
- 総会資料の作成(修正)
- 総会資料の郵送準備(印刷・封筒詰め等)
- 総会資料の郵送
- 総会当日のレジュメ作成
- 出欠届の確認、督促
- 総会会場の会場設営
理事会が終了したら、ここからはスケジュールの管理が大切です。
日程ありきで進みますので「うっかり忘れてました!」というのは許されません。
配付のために封筒に入れるのが地味に大変で、100戸超えると1時間じゃ終わらないです。パートさんとかがいるといいですが・・・。
外注している会社もあるみたいですね。
出欠届の確認、督促
マンション外に居住している方の数や、組合の雰囲気にもよりますが、経験上、提出率は8割あればいいほうかな、と思います。
そういう事情で、3/4の特別決議を取りに行くのはなかなか大変。数が必要な場合は、管理員さんや役員さんに、未提出者へ直接声をかけてもらうと提出率が上がります。
総会当日にすること
- 出欠数のカウント
- 委託契約の重要事項説明会開催(必要であれば)
- 議案の決議
- 役員交代の場合は引き継ぎ
議長は理事長が務め、議案の補足や司会進行はフロント行うことが一般的です。
「人前でしゃべるのが恥ずかしい、絶対ムリ」という理事長も少なからずいらっしゃるので、フロントが挨拶から何から何までやる場合もあります。
総会終了後にすること
- 議事録の作成・郵送
- 打ち合わせ事項の実行
管理組合の役員さんはここでやれやれ、です。役員の任期が終了し、次の役員へバトンタッチすることも多いですね。
ですが、フロント側にやれやれ感は特にありません。
総会が終わったから仕事が減る、というわけでもなく、終わってからもやることは山盛りだからです。
それと同時に、他物件の総会の準備も同時並行的に始まりますしね。
議事録の作成の期間
総会終了後、1週間以内には理事長に提出するくらいが適正です。
が、まー、遅らせられる部分の仕事ではあるので、忙しさに合わせて先延ばしにしても良いかと思います。特に社内ルールがないなら、ですが。
総会開催の時期は?
決算が3月末として考えると、
- 4月末に管理会社が書類を仕上げる
- 5月中に準備理事会開催
- 6月中に総会開催
というパターンが一般的かな、と。
マンションの管理規約によっては、「3月末決算で、5月中に総会開催」という場合もありますが、かなりタイトです。
3月末に決算を迎えた場合、請求書等の受け取りだとか、未払金・未収金勘定等の整理もあるので、管理会社が資料を揃えるのは4月末頃になるからです。
理事会はその資料の仕上がりを待って開催します。
すると、4月末もしくは5月頭に理事会の開催をして、5月末に総会開催、という流れになりますから、余裕が全くありません。
そのうえ、長期連休(5月のGWや、12月、1月の年末年始休暇)と重なるとなかなかハード。
「1週間でもズレると間に合わない」、というスケジュールになってしまいます。
おわり
最初から最後までを、ざっと書くとこんな感じです。
実務的にはもう少し細かい準備や、あと社内処理もあったりするのですが、そういうのは省いています。
きついことを言いますが、会計年度が3月末の場合、事業年度は2月に始まっている場合があります。 2月には新旧理事が協力して事業報告決算報告、事業計画予算案を相談しないとまともな管理運営は出来ません。 特に新任役員が事業計画、予算案を知らずに役員を務めることは不可能です。 管理会社も困るでしょ。