管理会社

管理会社が、理事長の横暴を許す理由

「管理会社さんがついてて、なぜ理事長の好き勝手を許すのですか?」というご意見。

フロントやってると、たまーに聞きます。

この問いに対しては、時と場合によって回答が180度どころか360度も変わるので、一概には答えられないですよね~。

 

今日はそんな話です。

このページの話は、一概には答えられない話を一概に答えているので、「まー、そういう話もあるんだなー」くらいに捉えていただきたいです。私自身の考え方は変わっていなくとも、時と場合によって私の返答はひっくり返ります。この手の話は特に、です。なのでそんなにアテにはしないでくださいませ。

余談ですが、書いてて「すげータイトルだな」と思いました。

管理会社は、理事長の指示で業務を行う立場

管理会社は、管理組合より業務を受託しています。

なので、管理組合の管理者(※1)である理事長は、契約の発注者にあたります。

つまり、まじりっけなしに、管理会社は、理事長よりの指示を受けて業務を行う立場なんですよ。

※1 管理者

区分所有法に規定された「管理者」です。責任者、みたいな感じです。

標準管理規約では「理事長を管理者とする」となってるので、ほとんどのマンションでは理事長が管理者です。

管理人のことではないです。

区分所有法 第二十六条

管理者は、共用部分並びに第二十一条に規定する場合における当該建物の敷地及び附属施設(次項及び第四十七条第六項において「共用部分等」という。)を保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。

管理会社と管理組合はビジネスパートナー

もうひとつ、契約上の話を、ちょっとだけですが掘り下げます。

管理会社と管理組合のお付き合いについてです。

 

管理会社と管理組合との「管理業務委託契約」は、民法上の「準委任契約」と解されています。

言葉を変えると、管理会社は、「管理組合からマンションの管理事務をお願いされている」というわけですね。

 

この部分でのポイントは、「だから管理会社と管理組合は別モノ」という話です。

「マンションの運営」は、管理会社の業務ではない、のです。

管理組合は、自らの業務の一部を管理会社へ委託しているのです。

準委任契約とは、「法律行為でない事務を委託すること」です。

委任契約は、「法律行為を委託すること」です。

委託とは、「第三者にお願いすること」です。

 

民法上、準委任契約は、委任契約の内容がそっくりそのまま準用されます。

まあ、あんまり固く考えても仕方ないのですけれどw

両方とも、「宜しくお願いネー!」「はいわかったヨー!」で成立する、お願いごとのことです。

詳しくは民法の委任の項目を読んでください。(マルナゲー

http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#2342

本来、理事長の横暴をいさめるのは監事の役目

管理会社は、管理組合を監理・監督する立場にありません

じゃあ、理事長、ないしは管理組合が暴走した時にそれを誰がとめるんだ!? という話ですが、これは明確に監事の役目です。

そういうわけで、監事は、管理規約上もそこそこ強い権限が与えられています。

単独で総会を開催できるのは監事だけですよね?(理事長は理事会決議がなければ総会を招集できませんし、役員ではない区分所有者は一定数の同意がなければ開催できません)

(監事)
第41条 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結
果を総会に報告しなければならない。
2 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認
めるときは、臨時総会を招集することができる。

標準管理規約より抜粋

管理会社にその責任を問える場合は?

「明らかにおかしい」場合は、管理会社にその責任を問う事ができそうです。

それが、「善良なる管理者の注意義務」というやつです。

略して、「ゼンカンチュウイギム」というやつですね。

これは、「業務を委任された人の職業や専門家としての能力、社会的地位などから考えて通常期待される注意義務のこと」です。

 

仕事人として、「理事長がおかしなことやってるのになんで注意しなかったの?」が、客観的に認められる場合に、管理会社の責任を問えるのです。

すげーあやふやなんですけど、委任契約なんでこういうもんなんですよ。

契約書上もこういう事しか書いてないです。

横暴と判断する基準は?

ここで難しいのが、「理事長の横暴」とは何か、という問題です。

 

マンションの管理組合はとても自治色の強い団体です。

その管理組合の意思決定については(法律を侵すような話では無ければ)基本的には「認められる」と考えるべきです

なので、第三者的な立場である管理会社が口をはさむような問題は、非常にすくないと考えるべきです。

例えば、「通常は不必要かなと思われるような超豪華な工事をする」こととか、です。

(当然、支出金額等や内容によって理事会や総会での決議が必要となるので、その手順を適切に踏んだ場合の「認められる」です)

 

管理会社は、その決議が管理規約やその他の規則に従って適切に行われる限りにおいて、理事長に「おかしいですよ」と進言する立場にはありません。

「何故それを管理会社が許したんだ」という話になると、これはもう、「役員さんが決めらたことなので従うのみです」という返答しかしようがないわけです。

「だから仕方ない」と言うつもりは、ないです

当然、個人のもつ「常識感覚」にも左右されますが、フロントも「やばいなー、おかしいなー」と思えば、理事長単独での決済には否定的になります。

あとでモメるのは目に見えているからです。

なので、じゃあどうするかというと、理事会や、総会で他の人間の意見を諮る様に進言するわけです。

前述のとおり、「管理会社は、管理組合(理事長)に異を唱える存在ではない」からです。

 

理事会での決議とか、総会の決議とか。

まあ、そういった紆余曲折があって、最終的にその判断が適切であると管理組合に認められた場合は、あとは粛々と事務処理を行うことになります。

それはマンションの選択だからです。

それがどのような選択であれ、私たち管理会社はそれを応援するべきだと(私は)思っています。

 

で、そうあった末に、「なぜ理事長の横暴を許すんだ!」と、フロントにかみついてくる方がいらっしゃるわけですね。

フロントとしては、このあたりが非常に「なんともいえないところ」でして。

端的に表現するなら、「それは管理組合さんの話なので、そっちで解決してもらえません?」となるわけです。

フロントに大切なことは「自分の意見をもつこと」だと思う

ケースバイケース過ぎて何とも言えないんですが、これの解答は「自分の意見を持つこと」だと思っています。

仕事人なので、管理組合との契約もうまくまとめて、更に居住者との間も取り持って、そのうえ会社の利益も出して、となるので、「もうどっち向いていいのかわかんない!」

で、鬱になっちゃったり、辞めちゃったりする人って、たぶんフロントは一定数いるんじゃないかなーって思うのですが。

まー。

私としては、全員の意見を無視していいと思います。

自分の胸に手を当てて、正解だと思う判断を優先させれば、それでいいんじゃないっすかね~。

 

当然、管理組合のカラーによって判断基準も変わりますし、会社の状況とかいろいろあるとは思うんですけど。

行動に正解はありません。

であれば、不正解もありません。

それは管理組合側も同様なので、イーブンですよね。

だったらいいんじゃないかな、ってw

 

そんな感じです。

なんか参考になりましたかなー。

ABOUT ME
はじめちゃん!
はじめちゃん!
分譲マンションを管理する会社に勤めています。 資格:管理業務主任者/マンション管理士/宅地建物取引主任士/マンション維持修繕技術者/二級電気工事士/建築業計理士二級/二級建築士/1級船舶免許

POSTED COMMENT

  1. 器用人 より:

     理事長がそれだけの権限を持っていることを理解できるのは、自主管理の管理組合で、専門的知識者や会社経営者のいるマンションでないと理解できません。 通常は何も知らない管理組合が、なんでも知っている管理会社を指導することになります。 マンション管理センターは、会計のシステムも管理会社のシステムに合わせるよう言っています。 それでは主客転倒でしょう。

  2. ん~~。どうだろ。
    通常、会計の手法は、会社によってかわるようなものではないので、そう大きな差はないはず。

    その前提に立てば、会計については、基本的には任せたほうがいいのではないかなー、とは思いますね。
    会計システムは会社で決まっていて、管理組合の指示によって左右できるようなものではないケースが多いので・・・。
    会計は管理会社に委託していますし、そこが信頼できないということであれば会社を変えるしかないような気がします。

  3. 器用人 より:

     会計処理は自主管理の時、単式会計に工夫をして複数年対応したため、困りませんでした。 今の複式会計風の貸借対照表は単年度しか表現しておらず、本来の貸借対照表ではありません。 会計規則は管理組合で決めねばならず、それを簡略化するためには、管理会社の会計システムを管理組合が理解しないといけなくなるため、管理会社の情報開示が、重要です。

  4. ほえー、そうなのですか。
    隠すようなものではないので聞けば教えてくれるとは思うのですが、管理会社側でシステム変更に応じてくれました?対応力がすごいですね。

    管理会社のつくる組合会計は、ほとんどが企業会計にあわせてると思いますよ~。
    (ホントは公益会計法人の会計規則にあわせるのが正しいと聞いていますが、そこに対応できている管理会社はたぶんないと思います)

  5. 器用人 より:

     16年前にマンション管理センターから、公益法人会計をモデルにするよう文書が出ています。 毎度、古い話で申し訳ありません。

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