『マンション管理』のことなどについて。筆者はフロントマンだよ。

マンション管理のはじめちゃん!

組合運営関連

マンション管理のプロが考える、ベランダでお隣さんがタバコ吸っててくちゃいときにしたい対策

投稿日:2016年12月19日 更新日:

たばこ。

 

時代が変わった、っていうと なんだかじじくさいのですが(筆者は今年30歳です)、私が学生だった10年前と比べても、喫煙に対するイメージは明らかに変わっています。

 

ハッキョーイ、ノコッタ!

 

こんにちは。大人の階段のぼりはじめるときに喫煙をはじめて、2段くらいのぼったあたりで喫煙をやめました。はじめちゃんです。

今、私は何段くらいのところにいるんでしょうか?1段かな?ちがうか!

 

マンションベランダでの喫煙問題について

さてさて。

ここ数年「お隣さんがベランダでタバコ吸ってくちゃいんです、なんとかなりませんか?」という管理会社へのお問い合わせが増えています。

 

当社比3倍くらい増えています。赤いです。

勢いで書きましたがなんのデータもとっていません。ていうか、昔から一定数連絡はありましたからそんなに変わっていないという向きの意見もあります。むしろそっちのほうが正しい気がします。

 

まあ、前々からそういう話はあったはあったのですよ。

対応、認識が変わったのは、世間、そして管理会社の対応じゃないかと思います。

 

一昔前は、

「そうは言いましてもねぇ、オクサン。せっかく買うたマンションで、自分ンチでタバコの一つも吸うたあかんゆうんはあんたこれ、ひどいんとちがいます?ダンナはんも家族に気ィつことりますんや。ちょっと気を付けてんか、今度そうゆうとったるさかい、お互い様、そうおもぅてちょっとくらい勘弁したってぇや。なんや、オクサン、あんたは旦那はんの吸うt」

 

そんな感じでした。ちがうか!

しかしまあ、なんにしても、非喫煙者が受動喫煙に対して意見する以上に、喫煙者の立場が守られていました。

「たばこくらいは、ねぇ?」

そういう世間の風潮でしたし、管理会社もそういう世論を反映して、そういうスタンスでした。

また、マンション内で声が大きく発言権を持っている方はどうしても年齢層高め。会社でいうところの部長クラスの人たち。

愛煙家も多くいらっしゃいましたから、総会で問題になっても当の彼らがタバコ吸うわけです。

「まぁまぁ」ってな具合にスルーされていたことも大きな要因だったように思います。

管理会社側のフロントもおっちゃん多いですから、やっぱり喫煙者多かったですしね。

 

その風潮がだんだんと変化してきたのは、ほんのここ数年の話です。

医療機関での禁煙に対する保険適用や、分煙、受動喫煙の防止など、そういった世論の動きが加速するにつれ、補助金制度などもあいまって、一層 世間の認知度もあがり、勢力図が塗り替えられていきました。

今や、副流煙の被害を軽視する人は非国民です。そんなことしてたら白い目で見られて自分が白目になります。

 

するとどうでしょう。世間の変化が如実に管理組合にも現れ始めました。

結果、どんなことが起きたか。

喫煙者が訴えられて5万円とられました。

 

ベランダでタバコ吸ってたらおばあちゃんに訴えられたでござる

判決日 平成24年12月13日

名古屋地裁

事件番号平23(ワ)7078号

判決の主文 ※注意!リンク先はワードファイルです!!

判決の内容について細かくはここでは書きませんが、重要と思われるポイントを。

 

マンションベランダでタバコ吸ってたら損害賠償請求された件の簡単な解説

注意!私なりにかみ砕いています。そっくりそのまま受け取るのではなくて、正しい法律のとらえ方、判例の読み解き方は、きちんとご自身でお調べ下さい

 

これは喫煙に限ったことではないのですが、法律の一つのとらえ方として「みんなで仲良く暮らそうぜ」っていう考え方があります。

「仲良く暮らす」ためには、お互い我慢しないといけません。

それを『受忍限度』と呼びます。騒音問題にもよく出てくる言葉です。

受忍限度、とはつまり、堪忍袋の緒です。

今回は、『喫煙が堪忍袋の緒が切れるほどの問題なのか?』って点が争われました。

 

結論としては、

改善してって言って直らないのなら、堪忍袋の緒もちょっとくらい切れるよね!

ってことで、損害賠償として5万円払え、となりました。

ここでご注意いただきたいのは、ただタバコ吸っただけで訴えられるわけでも、損害賠償請求が認められるわけでもない、ということです。

 

物事には順序があります。そして、それは法律も同じ。

訴えた側も、それなりの長い年月(1年~2年くらい)、取りうるすべての手段で改善要求を出し続け、そして、自分自身でもできる範囲の対策をとった、としています。

ただし、お互いの言葉をどの程度信じてよいかは微妙です。判例の主文を見るに普段から喧嘩してたようですし、お互いが主張を自分の都合のいいように捻じ曲げている可能性は否定できません

 

また、どんな場合でもタバコはダメ!って言い出したら、「みんなで仲良く暮らしましょう」の趣旨から外れちゃいます。

「みんなで仲良く暮らす」ためには、お互いが少しずつ譲りあって、よい社会をつくっていきましょうね。

そういう観点から見れば、『悪質さ』、という一点において、訴えらえた側に客観的な非があった、という話です。

 

喫煙について、マンション管理の視点から見たポイントまとめ

  • 管理規約・使用細則において喫煙のルールが定められているか否かとかいうことの前に、他人に迷惑かけちゃダメ。
  • 部屋の中でタバコ吸う分には誰も否定できない。
  • 入居したのがどっちが早いかどうかは、そんなの関係ねぇ!
  • 正確には、タバコがダメなら入居前に調べるべきだけれど、入居前の時点での情報では、喫煙者が周囲住戸にいないことの確認を怠ったといえるまでの落ち度はなかった。
  • ベランダが自分のスペースだからっていって、何してもいいわけじゃない。

 

という感じです。

 

今後、マンションでは、ベランダなどの共用部分は禁煙なのだ、ということが、常識として世の中に浸透してゆくはずです。

新築マンションでは、多くが管理規約においてそれを禁止していることからも明らかです。

お金のある管理組合は共用部で喫煙スペースを確保する、などの方向へシフトし、そうではないところは、部屋の中もしくは完全な屋外で吸うことになるのでしょう。

愛煙家でマンションを買う予定の方は、もうそのつもりで買ったほうが、トラブルのない生活になると思います。

レッツエンジョイ!

 

で、ベランダでタバコ吸ってるやつがいるんだけどどうしたらいいの?

くっせーケムリに文句言いたくなる気持ちはわかります。

その前にちょっと落ち着いて考えましょう。

 

「本当に我慢できないのか」

 

いえ、マジで。

『管理規約で禁止されているから』やめてください。

『迷惑なんで』やめてください。

そう言ってしまうと、否定したくなるのが人です。

 

大前提として、洗濯物ににおいがうつって不快、喘息があり不安、吸い殻がベランダを伝って落ちてくる、などの、タバコをやめてほしい明確な理由がアナタにはある、ということを確認しましょう。

ちょっとベランダに出たときにお隣さんがいて気まずい、とかそういうのはなしです。

 

『タバコのせいで夏場に窓を開けられない』、というよく聞く話は、『じゃあ窓を閉めればいいんじゃないの?』、とか言われるかもしれません。

相手からすれば、『窓を開ける』という行為の代償に、『自分がタバコを吸えなくなる』のであり、これはごもっともな話です。

むかっと来るかもしれませが、客観的に見てその通りです。

タバコに害悪があるから話が少しややこしいのですが、権利主義を主張するなら相手の言い分も聞かないといけません。

 

 

分譲マンションでの対応について

まずは、客観的に、誰が見ても、ベランダタバコをやめてほしい理由。それを書き出しましょう。

で、それをもって管理会社に電話しましょう。

そして、こう言うのです。

「この件は、恐れ入りますが、匿名の方からの連絡ということにしていただいて、総会で議題にあげていただけませんでしょうか?」

そして、あなたはその総会に参加して、一区分所有者として意見交換に参加してください。

もし、賃貸で総会に参加できないようでしたら、できたら議事録を見せてもらってください。

 

書面をつくって掲示する(配布する)のも即効性があってよいのですが、管理組合役員の方も未だ『喫煙まで他人が指図するべきではない』と考えている方もいらっしゃいます。

また、管理会社担当者もそういう考えかもしれません。

理解のある担当者なら黙っていてもうまくやってくれると思いますが、理解のない方だと、「まぁそうはいっても配慮してくださいという程度しかできないですよ」と言われるかもしれません。

1度目はそれでいいと思います。

みなまで言わずとも、受け取り手が常識のある方であれば、ちょっと言えばそれで改善されるからです。

 

問題は改善が見込まれない場合です。

あなたははっきりと、

  • 受動喫煙が社会的に問題視されていることは周知の事実である
  • 喫煙しないものがそのリスクを背負わされるのは許容しがたい
  • ○○の理由で、実害をこうむっている
  • 喫煙は自由だが、それならば他人に迷惑をかけない様に室内で喫煙するべきである(それが共同生活を送るうえでのマナーである)
  • 判例から見ても徐々にそれが認められる方向になってきている。世の中の流れである。(県によっては条例で禁止されている)

 

ことを理解してもらわなければなりません。

丁寧に、優しく、やわらかに、しかし、強く厳しく意思を伝えるのです。

根気強く管理会社の担当者に言えば、彼らもプロですから、理解して、厳しめの文書を作ってくれるでしょう。

 

 

それでもだめなら。

直接言いに行くか。

もしくは、理事会の場に参加して、理事役員の方に話を聞いていただく方向で調整するしかないと思います。

そうすることで、あなたはこの問題を個人対個人の問題から、マンション全体の問題へとシフトすることができます。

決して個人攻撃をしてはいけません。

人格攻撃をした時点で、あなたの意見はただのクレームへとなり下がるからです。

落ち着き、ごくごく紳士的にふるまう限りにおいて、多くの組合員と管理会社の担当者は味方をしてくれるはずです。

 

よい人間関係を構築したままで意見を伝える、ということは、それでいてむつかしいものです。

あなたの希望が自分本位な都合によったものではないか、あなた自身が配慮することによって改善される要素はないか、お隣さんが話し合いに応じてもらえる程度の社会常識と社交性をもっているのか。

恨まれては元も子もありません。

 

論理武装をしなさい、とそういうことではないのですが、最低限、知識と常識、そして熱意がなければ人の心を動かすことはできないと思います。

 

結局は、お隣さん(あるいはマンションの住民)を味方にできるかどうか、それにかかっています。

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