差出日が、「平成●年●月 吉日」となった案内書面、つくってませんか?
「吉日」
便利ですよね。配布する期日に縛られませんから。なんとなく作って、数日後になんとなく使えます。なのですけれど、「吉日」を、通常のビジネス文書の中で使うことに、私は違和感を持っていて、使いません。通常、パソコンで作成した日付は空白にしておいて、差し出す日に手書きで日付を入力しています。
今日はそんなお話です。
「吉日」は、本来、おめでたいときに使うもの
結婚式のお知らせや、お祝い事など。事務所の移転のお知らせなんかにも使いますね。おめでたいときに使用されます。
もともと、「縁起を担いでいる」という意味合いが強いのでしょうけれど。ビジネスシーンでは、「おめでたさ」ではなく、日付を適当にボかしたいがために使っているケースがおおいように思います。
一般の案内書面にはそぐわない
案内書面の日付には「●日にこれを作りました」ということをお知らせする意味合いもあります。極端な例ですが、見積書に「吉日」とあれば、見積の有効期限がいつまでなのか、わからなくなってしまいますよね?
見積書の「吉日」については、たまに見かけますが、受け取り手から見たら「書面の有効期限という認識が欠けている=期限管理が甘い=仕事も甘い=お付き合いしない」となりますので、あまり印象がよくありません。特別な理由がなければ辞めたほうが良いです。
マンションの掲示板に張り出す案内書面や注意書面も、ある種のお手紙みたいなもんです。ビジネスレターとして考えれば、「差出日はいつか」ということは、時に重要な意味を持つこともあります。
例えば、注意書面であれば、「これは、●日時点での情報ですよ」ということを暗に示すことができます。それ以降に案内書面を見た方であっても、「あ、もしかしたら日がたっているから解決したかもしれないな」と察することができます。
吉日を使わないための解決策
1.書面が1枚だけの(複数印刷しない)場合
複数印刷しないのであれば、「月と日付を空白にしておいて、差し出すときに記入する」とよいです。
なお、早く届けないといけない書面(お詫び状とか、見積書とか)の場合は、「おいおい、いつ持っていくかわからないような仕事の仕方してるのか?」と思われても困りますから、その場合は日付を予め入力したほうがよろしいです。
2.大量の配布物の場合
大量に配布する印刷物の場合。例えば、「注意書面をマンションにお住まいの方すべてに配布する場合」です。さっきのパターンのように日付を空白にしていると、1枚1枚手書きは少々面倒です。こういう場合は、「かなり先の日付にしておく」という手段をとっています。
十分に間に合うであろう未来の日付を入力しておけば、印刷してから配布するまでの間に対応をすればよろしいです。管理員室へ郵送する場合は、あらかじめ遅延等も見越して、1週間ほどの余裕をもって印刷しています。
「吉日」を使わなくなった結果、配布日の日付がずれても構わない
「吉日」の場合は考えないことですが、予め日付を入力すると、どうしても実際の発信日と書面の日付がずれることがあります。もし、印刷したものが予定日に配付できなくて、結果として配付が遅くなったとしても、あんまり気にすることはないと思います。受け取り手は、「ああ、これは●日に印刷したんだな」と思うでしょうし、少々ずれていたところで実害がなければ気にしないのが普通です。
ただし、ごめんなさいの謝罪文や、「もっと早く教えてよ」というような重要な内容の文書の場合は注意。「もっと早く持ってこれたんじゃなかったのか」と、怒りに火を注ぐ結果になりかねません。
まとめ
- 「吉日」は、あんまりビジネスシーンでは使わないほうがいい
- そのために、「日付を開けておく」か、「日にちに余裕をもって印刷する」ことをしよう。
- 結果、配布日と少々ずれたとしても誰も気にしてない
実は、私も昔使っていました。で、お客さんから「チョットおかしいよ」と言われたことがあります。「吉日」とすると、とっても便利だったので使っていましたが、はて、そういわれてみれば・・・。で、それ以、来使っていません。
日付を入力することで、スケジュール感覚もつきました。要するに、仕事のレベルが上がりました。これでよかったな、と思っています。
総会の案内は絶対に使わない
総会の案内状に「吉日」を使ってるとこはさすがにないと思いますが、もししてるようなら、まずいで即刻やめてください。総会の案内は、発信主義(受信側が受け取った日ではなく、差出側が差し出した日をもってお知らせした日と解釈する考え方)をとっています。
到着した日ではなく、発信した日が何より重要。その日が記入されていないとなれば、総会の成立自体が疑わえるなどの困った話に繋がりかねません。