電子ブレーカー。
付けるだけで電気代が安くなる魔法の機械。
おお、うさんくせぇ!!
それぞれのブレーカーの特徴
というわけで少し細かい事をご紹介。
ちなみに、ブレーカーってなに? というと、使う電力をコントロール・制限する為の機械です。
例えば、エレベーターがぶっ壊れて異常にモーターが回っていたり、ショートしたりした場合に、電気が流れっぱなしだと危ないですよね?
そういう場合にブレーカーが作動して、事故を未然に防ぐように設計されています。
そういう意味では、一般的なブレーカーと電子ブレーカーは同じ役割のものです。
一般的なブレーカーの特徴
一般的なブレーカーの遮断方式は『バイメタル方式』を採用しています。
バイメタルが何かというと、Bi(バイ、意味:二つの)metal(メタル、意味:金属)という意味で、要するに二枚の金属が張り合わされた合金です。
金属は熱くなると伸びますよね?
バイメタルは、あえて、<温度変化で伸びる割合の違う>二枚の金属が張り合わされています。
伸びる割合が違うとすると、温度変化が発生すると、『伸びない方の金属の方に曲がっていく』ってことはなんとなく想像つきませんか?
そういう特性を利用して電気を遮断する方式を『バイメタル方式』と言いまして、一般的な電子ブレーカーはこれを採用しています。
通常のブレーカーは、デジタルに電流を計測しているわけではありません。
電子ブレーカーの特徴
対して、電子ブレーカーはデジタルに電流を計測し、プログラムによって回路を遮断します。
一般的なブレーカーの場合は、季節や設置環境などに起因する、気温等の周辺環境によって遮断時間に誤差があるのに対し、電子ブレーカーは環境に左右されず、きっちりと動作させることができます。
電子ブレーカーを設置するとなぜ電気代が安くなるのか
前述のように、電子ブレーカーはブレーカーです。
分類としては遮断器です。
これをつけたからといって電力消費量が落ちるとか、そういう話ではありません。
もちろん節電効果もありません。
環境によろしいかというと全く何の効果もありません。
電子ブレーカーを導入する事のメリットは、電力会社との契約を『負荷設備契約』から『主開閉器契約』に変更できる、という点です。
その過程で月額基本料金を下げるのです。
何故下げられるのか、というと、通常のブレーカーが設置されてる状態では『全ての機器が100%のパワーで動き続けた』と仮定して契約します。
なぜなら、通常のブレーカーは『電流を測定できない』からです。
対して、電子ブレーカーは電流を測定できるので、『上限をお好きに』契約ができます。
1000ポイントのパワーをもった設備が設置されていたとしても、実際は100ポイントしか使ってなかったとしたら、100で契約をすることができるのです。
その分の基本料金が下がるよ、ってこと。
電子ブレーカーのデメリットは?
特段にデメリットは思いつきませんが、例えば導入の際に30分程度の停電がある事はデメリットの一つです。
また、市販され始めてから10年程度の商品ですから、なんといっても耐用年数等の経験がありません。
(電子ブレーカーが販売されたのは、最初は平成14年頃、有限会社ファーストという会社さんが販売開始した、らしいです)
それと、基本的に点検もありません。
電子ブレーカーが壊れて、遮断されれば異常にきがつきますが、もし、<遮断されない壊れ方>だった場合は、だーれも気が付かない可能性があります。
(ただし、その場合は、既設のブレーカーで遮断されるので、結局、安全性は担保されていることには違いありませんが)
機械ものなので故障もありえますが、今のところ大きなトラブルがあったという話は、寡聞にして聞いたことがありません。
電子ブレーカーは、デジタルに電流を計測すると言いました。そのぶん正確です。
業者による調査・選定が甘いと、想定以上に電気を使い、結果、ブレーカーが落ちる、というケースはあるかもしれません。
その場合、多くは水とエレベーターが止まります。
これは回避しようがないのですが、業者もそのあたりは命を懸けてみていると思うので、(まあ1社だけとても安い提案してきたりしますけど)とりあえず大丈夫なのかなあ、という気はしています。
そんなわけでデメリットというデメリットは特に思いつきませんが、明確にあるとすれば、将来、マンションの設備状況が変わる場合だけは注意、というところです。
マンションでは考えにくいですが、エレベーターをもう1基追加する予定がある、だとか、エアコンを追加する予定がある、等の場合は、設備状況が変わり、電子ブレーカーの設定変更のため、機器を入れ替えなければならない可能性もあります。
また同じだけの金額がかかりますので、直近で何か大幅な変更を考えているのであれば、そこだけは注意しておいた方が良いかと。
後々のトラブル(言った言わない、無駄か無駄じゃないか、という不毛な議論)回避のため、将来、設備を追加する可能性があるのか否かは、マンション内でしっかりと話し合っておくべきですねー。