フロントの仕事

分譲マンション「大規模修繕工事」の注意点

管理会社のフロント担当からみた大規模修繕工事のあれこれです。
ざっざっと書きなぐり。用語など、細かい補足説明はしません。

設計監理を受ける場合を前提として書いています。責任施工については書いてません。

大規模修繕工事って??

よく「大規模修繕工事」と言いますが、それってなんでしょ?
と思ったことはないですか?

国土交通省が作成しているガイドラインで登場する定義をそのまま扱っているのが一般的です。
仲介業者さんから聞かれたら、私はそう答えています。

大規模修繕工事 建物の全体又は複数の部位について行う大規模な計画修繕工事(全面的な外壁塗装等を伴う工事)をいいます。
https://www.mlit.go.jp/common/001172730.pdfより

大規模修繕工事で何をするか

大きな項目は以下の通り。

・仮設工事(共通、直接)
・下地補修
・シーリング
・外壁塗装
・鉄部等の塗装
・屋根防水
・バルコニー、廊下、階段防水

ですが、実際はマンションにあわせて微調整もありますので、必ずしもこれだけというわけでもありませんし、これらすべてをやっているかというとそうでもありません。

輪郭は結構ボヤッとしています。ただ、現場の肌感として。
「全面に足場をかけた工事なら」大規模修繕工事と呼ぶ、という感覚はあると思います。

費用は?

以下が参考になります

マンション大規模修繕工事に関する実態調査https://www.mlit.go.jp/common/001234283.pdf

工事方法は?

以下が参考になります。
だいたいはこれに合わせて仕様決めていると思います。もちろん、これに合わせないといけないってことはないです。

公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)https://www.mlit.go.jp/gobuild/gobuild_tk6_000074.html

お金の払い方

着工で30%、中間検査で30%、完了で40%、とかで分けていることが多い印象です。(割合はそれぞれ雰囲気)

工事の規模にもよりますが、3回に分けるのも面倒なので、着手と完了、50%ずつの2回払いでもいいかなとも思います。(短い期間で何度も高額な支払い手続きするの、ちょっと面倒です・・・)

完了後の1回払いで良いと答える会社もありますが、それは工事会社の規模や付き合いの度合いを見て判断。
まあ、管理会社経由の相談ならともかく、管理組合から「1回払いでいい?」と相談して受け入れられることはあんまりないような気はしますが。

予備費っていくら?

工事費の10~15%くらいを取っておくことをお勧めしています。

スケジュール関係

工事の時期(春着工、秋着工)

一般的な、「4か月程度で完了する」工事としてお話します。(それ以上かかる大規模な物件はまた別です)

・春工事(2~3月着工、6~7月竣工)
・秋工事(8~9月着工、12月竣工)

の、2つがあります。
色々考えると春工事のほうがおすすめではありますが、そんなこと言ってると秋工事できないし、まあ、実際、どっちがどうというわけではないので、どちらでもいいと思って良いでしょうね。春のほうがいいかもなー、って理由は後述(工程表の項目で)

注意点として。

秋工事は「8月の盆連休以降に着工」と「12月25日までに足場を解体」をクリアすること。
春工事は「2月以降に着工」と「8月の盆連休までに足場を解体」をクリアすること。
共に、足場解体後の雑工事の実施は可。

このくらいの指定はしたほうがいいとは思います。

休日の指定

平日作業を通常とし、日曜日と祝日は作業お休み。
土曜日は作業お任せ。
緊急の工事、音の出ない工事、在宅が必要な工事など、一部のものは日曜日や祝日に工事してもよいが、事前に監理者の承認を得たうえで役員会で報告すること。

を、指定したほうがいいです。

それと、工程表をチェックしておきましょう。日曜日はするな、と指定してなお当たり前に日曜日に足場をやる工程表だしてくる業者なんていくらでもあります。

日曜日に工事をしてはいけない、何か不都合がある、というわけではないのですが、特に足場関係の工事は音が出るのでクレームが出やすいです。で、クレームが原因で工事が止まると全体の工期に影響が出て、それで無理が出て工事の質が落ちる、ということがあります。

「日曜日は休んでいるんだからゆっくり寝かせろよ!」なご意見は気持ちの問題なので、対応するにもしようがないです。強行ですすめるとそれはそれで荒れますし。
もし日曜日にやるなら工事前にそうした案内をしておいて、クレームへの対応を予め準備しておきましょう。(面倒なのでおすすめしませんが・・・)

着工までのスケジュール

面倒なので、雑に今年着工のスケジュール載せます。雰囲気で理解してください。
ちなみに、設計会社を入れる前提でのスケジュールです。

工事前にしておくこと

やりたいことや、やったほうがいいことの洗い出しをしましょう。
(日ごろからこまめにメモしておくとよいです)

工事前にやることは以下のこと。

・管理会社(管理員、工事部、フロント)からの聞き取り
・過去の総会、理事会の議事録や案内書面の総確認
・修繕記録の確認
・現場調査(調査は1~2時間程度、できれば複数回)

写真付きの報告書を作成しておくと後々便利です。

みといたほうがいいこと

少額なものも多く工事見積に含めなくても構いませんが、ついでに一緒にしましょう、なことの一覧。

・駐車場の修繕(※1)
・車止めの補修
・高所照明の改修
・高所看板の改修(高所でなくてもついでに改修が望ましい)
・鳥よけの設置や交換
・コーナーガードの取替
・床面の勾配調整(排水もそうですが、エアコンドレン)
・雨水排水管の漏れ総チェック(支持金具も)
・バルコニー側消防設備の交換(非常ベルや避難ハッチなど)

※1 駐車場の修繕について
工事の際は、どちらにしても車を移動させます。
また、現場監督も常駐するので、そうした移動の手配が普段よりローコストで実施できます。
駐車場の工事(アスファルトのやり替えとか)は、必ず大規模修繕工事のタイミングでやるようにしましょう。個別にやると超大変。

公募条件

チェック事項を列挙すると。

・資本金がある程度あること(3000万~5000万が目安。1000万はあんまりおすすめしない。1億超えると会社が限られる)
・特定建設業の許可あり
・設立からある程度年月が経っていること(10年以上で設定することが多いかな?)
・支店や事務所に相当する場所(営業所でもいいけど)が、ある程度近い位置にあること(車で1~2時間くらいを目安に県内程度で設定しますが、地方なら都市圏もいれないと会社が限られます。最近はテレワークもあるのであんまり関係ないような、という気もしててここはどんどんユルくなってます。ぶっちゃけあんま見てない)
・元請実績がそれなりにあること(数字は好み。私は年10件くらいで設定してます。小さい会社も入れるなら5件。全国規模の会社なら年間200件くらいやってますね。中小規模なら10~20件くらい。でも全国規模の会社と比べても意味ないので。一つの支店で、30~50件やってたら実績としては最大規模、10件もあれば規模としては十分じゃないでしょうか)
・経営審査事項のチェック(下限はY点で650~700点くらいの設定でいいんじゃないでしょうか。会社が大きいほど良い点数がでるので、高ければいいというものでもなし)
・公募条件をクリアする完成保証会社を確保できること

ちなみに。
新聞等で公募したら、条件をクリアしない会社でもガンガン送ってきます。(見てないんだと思います)
公募数が十分にあればクリアしない会社はハネればいいですが、依頼会社が足りない場合は参加を受けることがあります。(そういうことがあるから条件見ずに送ってくるんでしょうね)

あと、推薦枠(組合、設計、管理会社)は条件に当てはまらなくても別枠で取ることはあるかと思います。

公募時にリストで出してもらうもの

・会社名
・住所
・工事を担当する事務所の場所
・設立年
・資本金
・従業員数
・有資格者数
・P点Y点
・工事保険金額(対人、対物)
・完成保証会社の有無
・瑕疵保険の加入の有無
・売上高
・経常利益
・過去実績

ちなみに、公募書類は指定フォーマット(エクセルとか)で提出してもらって、それをコピペしたら一覧の比較表が一瞬でできあがります。わざわざ打ち直す人もいますが、ちょっと脳みそ足りてないカモ・・・。

あと、公募時の注意点ですが。
会社説明書、アピール資料などの検討資料は、役員の数だけ送ってもらいましょう。
結構、設計が1部、組合が1部だけもって、実際組合用は誰も見ない、ということがよくあります。魂のアピール資料です。ちゃんと見てあげてください。
(コピーも面倒なので)

工事業者の選び方(プレゼンの判断基準)

プレゼンのあれこれ。

余談なのですが。
プレゼンの質疑で「即答できないので改めて回答します」といって「そのまま回答のない会社(というか担当)」が山ほどいます。(感覚、90%以上がこのパターンです。管理会社に対してさえ回答無し。プレゼンに参加することが目的じゃないんだぞ??????と思います)

なので、回答があればその時点でその会社は「円滑なコミュニケーションが期待できる」と考えられます。役員さんにとっても、設計や管理会社にとっても、ストレスが少ないでしょう。プレゼン終わったとのその場で会社を決めてしまうこともよくありますが、回答を待って判断というのも一考です。その場合、もう一度集まるなり、回答を書面で受けてからの投票でも、まあそれはどちらでもいいのですが、その時に「欠席していた人」の判断が「出席者」とは明らかに違うことになるので、そこの調整はしておいたほうがいいです。

金額面

やっぱり最大の検討対象です。
「あまりにも高い」「あまりにも安い」業者は省くのが一般的です。

ちなみに。
実際、経験でも「安すぎる業者」は、依頼して苦労することはあります。が、高い安いに関わらず苦労するときは苦労するので、本音の部分では「安い業者はダメなのか?」には何とも言えないです。
私が見る限り、現場監督の質による、というのが感覚です。なので、工事会社の社会的な信頼度と、あと現場監督本人が信頼できると知っていれば、金額が安くても自信をもってお勧めしています。
どちらかというと、工事業者は管理会社や設計会社の顔見て金額出してくることが多い印象で、例えば「長らく取れてないから」とか「これからガンガン仕事したいっす」の、営業的な判断で安く出してくれることも多々あります。この辺はお客さんには言いませんけども・・・。

なお。
足場仮設しての調査の結果、見積もりから数量が変化し、見積もりから金額が変わります。(実数清算とか、清算対象、清算工事とかって書いてます) また、途中に依頼する工事もあります。

こうしたものを含めると、若干の差は最終ひっくり返る可能性がありますから、微妙な差であれば「ないものとして考える」と良いです。

【私の考え方として】
概ね、1%程度なら「ないもの」として無視してよい。
3~5%くらい(1億円で300~500万円程度)であればひっくり返ることはないかもだけど、金額以外でも比較してよい。
10%近くなるとさすがにひっくり返ることはないでしょうし、差も大きいので、よほど強い何かがないなら依頼することはありません。

とはいえ。10%の差ということは、例えば戸あたり150万だったとしたら、15万円の差でしかありません。10年周期としても、年間1.5万円、月額1500円の差を、どこまで重要視するべきか、については検討はあってもよいかもしれません。

営業担当者

工事にはあんまり関係ありません。最初と最後くらいしかでてこないので。

にもかかわらず、プレゼンは営業担当の力量が非常に強く影響してしまう、というバグ。注意はしておきましょう。(注意してなにかできるものでもありませんが)

ただ、営業担当が社内で強いパワーを持っている場合、工事担当をうまいことコントロールしてくれることがあります。優秀な営業はそのへんも上手ですから、まあ、そら優秀なほうがいいことに違いはありません。

現場代理人(現場監督)

工事中の責任者です。

工事中は、現場監督が窓口となって対応を依頼することになります。なので、現場代理人のコミュニケーション能力(とか、相性)はものすごく重要です。

プレゼンには必ず呼びましょう。
稀に、「現場監督が決まってない」とかで違う人(上司とか)がプレゼンに来ることがあります。判断しにくいのでやめてほしいです・・・。

現場代理人について、コミュニケーション能力が不足していないか、相性が悪くないか、を見るのですが。とはいえ、工事が始まってみないと正直わかんない、というのが率直な感想です。
設計担当や、管理会社担当が、「その現場監督と過去に仕事をしたことがあるかどうか」くらいしか、信じられる基準はないです。

質問のなかでピントがズレた回答してないかを確認しておきましょう。(でも、だいたいプレゼンには営業担当もいて相談しながら回答しますから、それだけではよくわかんないことが多いです。営業担当には黙っててもらう時間を設けてもいいかもしれません)

ちなみに、設計会社が入っていれば、現場監督の質は設計が(ある程度は)フォローしてくれます。
現場監督も設計もダメなら、結構どうしようもないです。
管理会社は恐ろしくストレス。

どうしようもないなら、最後には担当変更か、責任者同席もあり得ますが、これを言えるだけの付き合いが管理会社と工事会社にない場合は本当にどうしようもないです。

それで文句を言うと、地場の工事会社とかは「知らん」「文句あるならやめてもいい」とかあっさり言うことがあります。
こういう部分では、全国規模の、分譲マンションの工事に慣れた工事会社が管理会社にも気を使ってくれて私は好きですねえ。
現場監督の上からコントロールが効くので、結果として工事が安定します。

工事会社は規模じゃないっていう工事監理の設計者もいますし、一面ではそうですが、でも私はそうは思わないです。結局、規模があれば「なんとかする」の懐が深い。確率の話です。(もちろん規模があってもダメな会社はあるけど・・・)

仮設計画

設計が仮設計画を決める場合と、工事会社に提案してもらう場合があります。
これは安全管理の問題もあるので、設計担当とか工事担当の範疇。私は、あんまりこれはよく見てません。

工程表

工事がキツキツの場合、なにかの理由で遅れると現場がバタつくことがあります。(よくあるのは台風)
そうなると工事の質が落ちるので、極力、最初から余裕を指定しておいたほうが、結果としていい工事をしてくれる確率が上がります。

具体的には、仕様として、秋工事であれば「8月中旬のお盆あけから着工」を指定して早めに工事をスタートさせたほうがいいです。

年末年始の足場は嫌がる人が多め。外出も増えるのでセキュリティ的な心配もあります。

春工事の場合、ゴールデンウイークはありますが、どこで工事しても必ずかかるので、足場はかけっぱなしで休暇に入ります。

ちなみに、小規模な工事の場合、バーチャートを用いて工程を説明することがほとんどです。
ネットワーク工程表まで作る監督も、たまにはいます。まあ、入る職人もそんな多くないし、そこまで必要なのかなあ、という気は見てて思いますが。
もしかしたら、近年ではDXでその辺解決してる会社もあるかもなのですが、私が見る限りだいたいエクセルです。

その他の提案

設計が仕様書を書いた場合は、個別に提案をしてくる会社は極めて、そう、ほんと極めて稀です。

けどまあ、やっぱ工事会社からみた「提案事項」はとても貴重で大事。

で、プレゼンに監督を呼ぶのであれば「仕様書に含まれない提案事項があるなら、もってきてほしい。これは、工事会社の意気込み、そして現場調査能力を総合的にみたいがためのものなので、気合い入れてくれ」などと言っておくとよいかもしれません。

どのみち、大規模が始まったら工事会社(現場代理人)と設計、役員とが打ち合わせて工事進めないといけないわけです。そのシミュレーションをしてみましょう。

そう言ってもほとんどの会社は、なんか申し訳程度の「カーブミラーつけたらどないですか」みたいな提案ですが、たまにめちゃくちゃいいのだしてくれる会社もあります。(で、そういう会社はプレゼンでは取ってますね)

ちなみに、これはプレゼン時に、「現場代理人に対して」聞くと、スラスラと答える監督もいれば、言葉に詰まってえぐえぐしてる監督、「調査を自分がしてないので申し訳ないけれどわからない。でも後から提案していい?」とかでちゃんと回答くれる監督、いろいろです。

9割くらいはポンヤリした回答ですけども、たまに激しく芯をついた方とかがいます。そういう監督さんは大事にしたい。

ちなみに、受け答えがイマイチでも、工事の監督はめっちゃキッチリしてくれる監督もいます。逆に、受け答えは良くても、工事の監督がイマイチな監督もいます。
これを見抜くのはそう簡単な話ではないです。何か、定型的な質問があればいいんですが、そういうのも自分には思いつきません。

説明会や会議関係

説明会や会議のあれこれ。
ちなみに、工事会社は全体的に「書類に弱い」です。
管理会社の当たり前のレベルを求めてると、そういうのは帰ってこないです。設計がフォローしてあげるか、大事なところ以外はいっそあきらめるか、です。

月例会議

定例会とか、役員会とか、呼び方は様々ですが。
工事が始まると、毎月1回程度、打ち合わせをします。

この時、工事会社から以下のものの提出を受けます。

・前回会議の議事録
・前回会議の継続審議事項の報告
・進捗報告と次回打ち合わせの報告(出来高による支払いの場合は請求承認共)
・請負者からの報告、提案、お知らせ
・追加や増減がある場合は、増減内容の提示と契約の確認
・苦情の対応報告(報告は、住人、外部共。なければないと報告)

代理人によってレベルが様々なので、特に1回目の打ち合わせの前には、顧客に提出する前に内容を確認して、報告書の作り方を指示したほうがより精度が上がります。(まああんまり代理人って書類に強くないので、何書いてるのかよーわからん報告書作る人も多いです)

近隣挨拶

着工の2~3週間前に、近隣住民へ書面挨拶を行う程度で良いでしょう。直接の訪問は原則不要、と私はしています。ただ、足場で迷惑をかける場合は直接挨拶に行ってご了解をいただきます。

自治会長など、地域のドンへの挨拶は通常行いませんが、組合から要望があれば行うこともあります。

ちなみに、近隣挨拶は、私は「直接の挨拶は行わない」としている関係から、業者に100%任せています。もし、お会いしてお願いにあがるべきことがある場合は、工事説明会が終了後に役員さんと一緒に訪問するのですが、アポを取らずに訪問することも多いので、結局業者任せ、ということは多いです。

近隣説明会

通常は行いません。

工事説明会

着工の2~3週間前に、住民(賃貸居住者も含む)への説明会を行います。
土日が良いでしょうね。

「工事の注意点を説明すること」が主な役割ではありますが、それ自体は書面で案内しますから、あまり説明会で説明すること自体で重要なことはなく。
どちらかというと、「工事会社と住人との顔つなぎ」とか「工事前のけじめ」「説明したというアリバイ作り」という意味合いが強い気がします。

これは工事会社主導で良いでしょう。各社、フォーマットを持っているので任せてOK。なのですが、自社基準の説明をして、仕様と違う内容の話をし始める工事会社は珍しくないので、チェックは必須です。

保証や保険

保証期間

保証は様々なのでもう設計担当次第。
よく見るのは、

・鉄部2~3年
・シーリング3~5年
・下地補修5年
・塩ビシート5年
・ウレタン防水5年
・ウレタン防水(メッシュ)10年
・アスファルトやシート防水10年

くらいでしょうか。
それぞれの保証の具体的な内容は設計やメーカーに相談を。

アフター点検

考え方として。
「1年目」と「保証期間が切れるタイミングで」点検に入るのが一般的な考え方です。なので、例えば保証期間が2年の工事がなければ、2年目点検はなくていいのではないでしょうか。手間がかかるだけで、やる意味もあんまりないと思います。

とはいえ、実際は、工事会社や設計担当の考え方で様々です。
現地点検は、1年、2年、3年、5年、10年、の設定が多いですが、5年、10年をやらない会社もあります。設計が入っていれば5年までは指示することが多いような印象です。
10年目点検は、10年の防水保証がなければ、やらなくていいんじゃないでしょうか。工事会社に見せる意味ないし・・・。

工事会社や設計会社の社内基準で、「指定されていなくても勝手にやる」っていう会社もあります。
予想なのですが。物件ごとにやるやらないを設定すると抜け漏れがあるとかで、指定のあるなしに関わらず全部やる、という風にしてるんじゃないかと想像しています。

1年目では、バルコニーのアンケート調査をしたほうがいいです。
工事会社や設計担当によっては、2年目、3年目の時にもアンケート調査をする場合も。ここは好みです。

それ以降は現地点検のみ、というパターンが多いですが、管理会社(と、組合)としては、年次によらず、保証切れのタイミングではアンケートを取っておいたほうがいいと思います。簡単なもので構いません、「不具合があるようなら提出または連絡を」くらいにしておけばよく、実際、提出はすごく少ないです。

工事保険

工事会社の保険は、3~10億くらいかけていることが多い気がします。

工期4か月の工事であれば3億あれば十分では、とは思いますが、まあ、そら掛け金は多いほうがいいとは思います。このお金はどうせ組合は負担しないし、現場ごとに設定するものでもないゆえに工事費用にも反映されないので。

瑕疵保険

大規模修繕工事の瑕疵保険があります。これは、国土交通省の許可を受けた会社しか引き受けることができない保険で、全国で5社しかありません。

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutaku-kentiku.files/kashitanpocorner/jigyousya/about_large_repair.html

保険には、「完成保証」と「アフター保証」があります。どちらかだけを契約することも可能です。完成保証は、完成保証会社がいたり、費用後払いなら不要かなとは思います。

要否は個別に相談ですが、工事会社が小さい場合は入っておいたほうがいいと思います。全国規模の大手なら、まあ、どうなのかなあ、いるかなあ?とかは思います。

建設業の許可をうけた工事会社なら、よほどでない限りは審査落ちはありません。
規模が小さく、また経験も浅いために「瑕疵保険?なんですかそれ??」みたいな会社に工事をお願いするときは、絶対に入るよう指定しましょう。加入審査に数万円くらいは必要なのですが、それは工事会社負担、と仕様で指定しておきましょう。

ちなみに、タイルの10年保証もありますが、その場合は全面改修に近い工法になるので、現実には注入で引き受けてもらえる5年保証を選択することになります。

この保険料は、組合負担です。
工事会社がかける保険なのになんで組合負担しないといけないんだ、と疑問に思うかもしれませんが、「そら工事に必要な費用を組合が負担しないとだれが負担するんだ?」という話です。(確かに、保険の受け取りは工事会社がするので工事会社が工事会社の負担でかければいいという考え方もありますが、それはアフター保証というかたちでクリアしているわけで、工事会社にとってこの瑕疵保険料は余分な支払いです。となれば、どちらにしても経費として請求されることになります。なのでまあ、保険料の負担区分はそういうものだと思うしかないです)

見積には最初から含めておいて、不要ならあとから外す、という方法がスムーズで良いとは思います。自分はいつもそうしています。

仮設工事

仮設のあれこれ。

仮設トイレ

仮設トイレは別で作ります。これは駐車場に作るのですが、まれに「私の区画でシモをするとは何事だ」なご意見を受けることがあります。「組合が貸している組合の敷地であって、お前個人の区画ではない。気に入らなければ解約を」と強い姿勢で臨みましょう。

共用トイレを使ってもらってもよいのですが、汚れなどで作業員も気を使うし、実際汚れた服でウロウロする動線が増えるので、あんまりおすすめはしません。

現場事務所

大きな共用の集会室が、組合側で特に使用目的なく存在しているのであれば、集会室を現場事務所として使ってもらってもよいケースもあります。ちょっと工事費が浮きます。

ただし、工事会社には席をはずしてもらって理事会だけで打ち合わせしたい場合にスムーズでなかったりするので、やっぱりこっちもあんまりおすすめはしません。

小規模物件で集会室広いならありかな?とかそのくらい。

防犯対策(足場)

一般的には、簡易なセンサーライトやブザーとしています。
足場1階には囲いをつけたり、ドアには鍵をかけたりしますが、まあ、正直、どこからでも登ろうとすれば登れます。

個々のご家庭には、より一層の防犯意識を高めてもらうしかないでしょう。

ちなみに、お金をかけるようなら、足場警戒システムもあります。
こんなの。(アルインコ社のやつ)
https://www.alinco.co.jp/product/lease/detail/id=5088

足場仮設中は「人を入らないようにする」ことは不可能です。「防犯対策に強いご意見」が予想されるようなら、こうした警報システムを仕様に入れておいたほうがいいでしょうね。

防犯対策(窓)

バルコニーの補助錠を、希望者に無償で貸し出すことが一般的です。
費用は工事会社負担。

照明

足場仮設で暗くなりますから、簡易なセンサーライトの設置を指示しましょう。足場ができた段階で、夕方~夜間に訪問して一度チェックしたほうがいいです。

マンション側の照明を24時間点灯させてもよいです。

居住者用の敷地内駐車場

足場仮設のため、敷地内の車を外部に動かすことになります。その時に、移動した人が一時的に駐車できる、敷地内の荷下ろし専用区画を1~2区画程度設けること、を仕様に入れてあげてください。来客駐車場の完全停止も視野に入ります。

工事のお知らせ

1階などに、工事用の掲示板を設けて、工程や洗濯物の情報を掲示してもらいます。

項目ごと、あるいは工区ごとに時系列で並べて、掲示日を表示するとわかりやすくてよいですが、割とスペースを取るので、まあその辺は工事会社におまかせです。

最近はDXで(以下略

職人さんの休憩(喫煙)

休憩場所は、マンション内に設けることになります。
それで、現場事務所などの指定場所では「喫煙を可」とするケースが多いとは思います。

最近ではすごく敏感だし、マンション内では禁煙の物件も増えている中で、なんで工事業者にだけ喫煙を許可するのか、という、内心モヤっとするモノがあります。

今のところ「現場事務所内での喫煙は可。ただし意見があった場合は不可とする場合あり」と指定していますが、あと10年もすれば敷地内禁煙の物件が多くなってきます。そのころには敷地内全面禁煙になるんだろうな、と思っています。

ちなみに、近隣のコンビニ等で集合しないこと、歩きたばこをしないことは、最初の職長との打ち合わせの時には言っておきましょう。

余談ですが、設計の先生が歩きたばこをしていて、更に吸い殻を側溝にポイ、しててマジギレしたことがあります。
職人さんでそういう人はほぼいません。上下関係がキッチリしてるので、ダメと言われたことは絶対やらないです。

現場代理人(現場監督)

現場監督のあれこれ。
万が一を考えて、仕様で更迭については触れておきましょう。

施工管理技士

1級と2級があります。
小さな工事であれば2級、大きな工事であれば1級指定という仕様でいいと思います。

資格で能力が担保されるわけでもなく、別にどっちでもいいけど、そら1級のほうがいいんだから指定しとけばいいんじゃないの、というのは本音ですが。
「小さな工事に1級を割くような現場代理人の余裕もないし、高めの見積もりしとこ。とれなくてもいいや」ということがあります。

規模に応じて、2級まで下げておいたほうがいいかな、とは思います。

経歴

「大規模修繕工事の代理人を3年(または5年)程度経験している」
「同等以上の大規模修繕工事の経験が5件(または10件)程度ある」

くらいは指定しておいたほうがいいでしょう。経歴を絞れば安値で参加する業者が減るので好し悪し。

どうやら経歴のロンダリング的なのがあるようなので、あんまり経歴は信用してませんが・・・。

養生関係

養生あれこれ。

カーシート

車に不織布をかぶせるやつなのですが、「傷がつくのでやめてほしい」という人がいます。事前に通知することを指示しておきましょう。

ちなみに、カーシートをかぶせてほしくない場合のコスト(外部駐車場の費用)は個人負担。

エレベーター養生

壁はプラべニアなどで養生。
手すりはプチプチ(気泡緩衝材といいます)で養生。
ボタンは透明なシートで養生。

この養生は、「劣化したりラクガキで見苦しくなったら交換」を仕様に入れておくとよいです。(ラクガキくらいなら養生テープはりつけたらいいですけど)

この養生で鏡が隠れます。通常は黙っていればいいですが、鏡が欲しいとの連絡があれば、簡易なシート鏡を設置するよう指示をします。

工事他

注意書面の処理

壁に注意書面や看板を設置しているかと思います。これは全部取り外すよう指示をしておきましょう。
現場監督は気を使って掲示物や看板を残すことが多いです。

掲示物は処分。
看板はこの機に新設するとよいでしょう。

照明器具は取り外す

照明器具や、インターホン、室名札などは取り外して、裏まで処理をしましょう。
将来、サイズ違いの照明を取り付けたときに色がスゴク目立ちます。

ついでに、誘導灯のリニューアルプレートが設置されている場合も外してしまうとよいでしょう。格好悪いので。

鉄部に張り付けたシール関係

電気、ガス、水道などのシールは一度取り外し。業者さんは、言わなければこらのシールを残して塗装をします。めっちゃかっこ悪いので張り替えましょう。

補修部材の納品

補修用として、タイル、塗料、シートなどの材料を納品してもらいましょう。この時、納品のリストをつけてもらいましょう。(何がどのくらいあるのかわかんなくなるので)

壁面設置の給湯器

PS内に設置されている給湯器もあれば、バルコニーの壁に設置されているものもあります。PS内は気にする必要ありません。

壁設置のものが問題なのですが「給湯器の裏までの処理」は、通常、行いません。
ですから、給湯器の設置場所が変わったり、サイズが小さくなったりすると、塗っていないところが見えてしまいます。

回避できないです。
同時に交換するとか、一時的に取り外すとかすれば可能ですが・・・。

「工事後にそういう問い合わせがあったらどうする」は相談しておいてもいいと思います。特に最近は、給湯器の納品遅れで機種を選んでいる余裕がなかったりしますし。

色彩の決定

大幅に変更しない範囲であれば、役員に任せると総会決議を取っておくことが一般的です。
外壁のデザインを大幅に変更する場合は、念のため、色彩変更の総会決議を取っておいたほうがいいでしょう。
床シートやエレベーターシートは(よほど奇抜ものでなければ)役員が決定して良いと判断しています。

ちなみに、最終決定は役員がするのですが、とはいえ役員も色を決めにくいので。一般的には、外壁と床シートはアンケートを取って多数決で決めることが多いです。

ウレタンのトップコートはグレー系で決めてしまうことが多いです。ちなみに、側溝のウレタンのトップコートをベージュ系にすると、塗った直後は綺麗ですが後からめちゃんこ埃が目立ちます。素直にグレーかライトグレーにしておくのがおすすめです。

外壁のアンケートを取るときは、雨どいやウレタンの色も決めてからイメージを見てもらうとよいでしょう。(塗料メーカーがイメージ写真を作ってくれるので、もらえばよいです。よほど無理をいわなければ無料のはずですが、この調整を自分でやらないので詳しくは理解できてません)

あと、エレベーターのシートは床シートより廊下の印象に強く影響を与えるので、外壁の色よりよほど慎重に選んだほうがいいです。自分はメタル系が好きです。

工事中、マンションに住んでいない外部居住者への対応

部屋の所有者=住んでいる人、の場合は困りません。

賃貸住戸の場合は、住んでいる人には権利がないわけで、なので、あとから「知らなかった」と文句を言われても困ります。また、例えば色彩アンケートを、権利のない賃借人に対して実施されても組合は困るわけです。

ですから、工事前には「アンケートの提出先をお聞きする書面」を管理組合から郵送し、その情報を工事会社と共有するとしておきましょう。返却がなければ以降放置。

竣工前点検については、「連絡がなければ賃借人にしてもらうのでよろしく」としています。

竣工書類

竣工時に引き渡しを受ける書類の一覧です。
ざっと書きましたが、他にもあるかも。

・引渡書や受領書
・アフターメンテ対応表
・保証書
・仕様変更契約書、増減契約書
・使用材料の一覧
・出荷証明
・予備品の一覧
・補修図
・数量表
・点検や検査の報告
・アスベスト調査報告
・産業廃棄物処理書
・工事会社発行の案内物(すべて)
・月例会議の事前配付物(すべて)
・月例会議の議事録(すべて)
・日誌等
・鍵や図書関係の預かり書

別冊
・工事写真帳
・アンケートと回答書、そして報告書
・ご意見書(居住者、外部共)

その他の一問一答

その他いろいろ。

在宅は必要?

数回程度、在宅の依頼があります。
具体的には、玄関枠の塗装や、面格子を取り外すとき。

緊急でない限り、在宅依頼時は必ず事前に連絡をするので、気にして生活する必要はないです。

長期間、家にいません(旅行や空き家)

もちろん構いません。
が、在宅をお願いするときが数回あります。この打ち合わせのため、予め工事会社に連絡をしてください。
数日程度不在にするくらいなら連絡は不要です。

室内の工事をしてほしいのですが

共用部分が対象で、専有部分は工事しません。個別にリフォーム会社へ依頼を。

音ってどう?

感じ方にもよりますが。本音を言えばめちゃくちゃうるさいです。
「在宅ワークとか絶対無理」っていうくらいにはうるさいです。

事前に「うるさいけど我慢してね」って、説明会で言っておくとよいです。

においってどう?

壁は水性の塗料を使いますが、鉄部の塗装や、ウレタン防水など、溶剤を使うこともあり、エントランスなどの密閉空間はにおいがこもることはあります。

これも回避できないので「我慢して」と言っておくのですが、体質的に特に敏感な方とは個別の打ち合わせとなります。

洗濯ものって干せる?

工事の集中期間は干せない日のほうが多いです。(工期中ずっと干せない、ということではないですが)
「最低でも1週間に1度は干せるようにして」とは工事会社には指示します。

それでも特に子供の多い家庭は結構大変。
どうしても、部屋干し、浴室での乾燥などをしてもらうことになります。ゴメンネ。

洗濯物が干せる、干せないは、「前日に、明日の予定を掲示板とポスティングで案内する」ことを工事会社に指示しています。

バルコニーのモノは?

「エアコンの室外機を除き、全て室内へ移動」してください。「例外なくすべて」です。

塗料が付いたり移動させたりの手間があるからです。ちなみに、「汚れてもイイからそのままでお願い」は聞けません。どうせ汚したらトラブルになって保証しないといけないからです。職人も気を使いますし。

「いつまでに?」については、「工事が始まってから約半月後くらい」が目安になります。具体的な時期は工事会社から連絡があります。

監督によっては、「荷物おいといてもイイよ」と答える人もいます(もちろん物を確認したうえで、です)が、設計の段階では「全部どけて綺麗サッパリして」と言っています。

網戸は?

取り外して室内で保管。
網戸を保管するための袋は、工事会社から配るように指示をしておきましょう。(慣れていない業者は配ってくれません)
「いつまでに?」については、「工事が始まってから約半月後くらい」が目安になります。具体的な時期は工事会社から連絡があります。

網戸の取り外しは個人でしてもらいますが、取り外しが少し難しいので、声をかければ監督が手伝ってくれるというのが一般的です。
この時、網戸の取り外し方の写真付きの解説書を配るように指示をしておきましょう。慣れていない会社や監督は「外しといてね」だけの紙を配ったりします。さすがにそれは配慮が足りない。

エアコン使える?

通常は使用可能。
数日程度、使えない日があります。ゴメンネ。

エアコン室外機は工事で邪魔?

エアコン室外機の設置方法によっては取り外しする必要があるかも。
取り外しの要否は、足場仮設後に、工事会社より案内あり。

費用は個人負担のケースが多め。
個人負担にする場合は事前に案内をしておくとよいです。

エアコンのダクトは?

裏まで塗装するため一度取り外します。
この時、劣化していて復旧ができないケースがあります。交換が必要な場合は、個人負担。

再使用の可否は、足場仮設後に工事会社より案内あり。
これも事前に案内しておくとよいです。

エアコンの注意

工事の時には、室外機の移動や、ダクトの脱着工事があります。どうしても痛むことがあるので、大規模と一緒に(または終わってから)エアコンの工事をすると、色々キレイサッパリです。

直近で予定しているようなら時期を合わせてもよいかもしれません。これは工事会社と相談を。

工事中に室内リフォームをしたい

どうぞご自由に。制限はありません。

ただし、工事ではエレベーターを一時的に停止させたり、車両の通行が一時的にできなかったりと、色々と制限があります。
お互い円滑に工事をしたい気持ちは一緒。事前に工事会社へ連絡をしてくれるといろいろスムーズです。

工事に引っ越しをしたい

リフォームと同じ。事前に工事会社へ連絡を。そのほうがお互いのためです。

車いすは使える?

もちろんです。

ただし、作業中に一時的に移動ができなかったりと、ご迷惑をおかけすることがあります。
個々に合わせて配慮をしたいので、個別に工事会社へ相談してください。

また、エレベーター内には養生を貼り、鏡が見えなくなります。
要望があれば、簡易なシート鏡を設置するよう指示をすればいいです。ホームセンターで数千円です。

工事のことで相談があるんだけど

受付窓口は工事会社です。「現場代理人」と呼ばれる監督が常時いますので、直接連絡をしてください。
また、工事用ポストを設けます。ご意見があればそこに記入して投函いただければ対応もします。

敷地外の駐車場を使って不便。補填はあるの?

迷惑料をいくらか払うとよいでしょう。
これは、移動する距離にもよるので、費用は都度調整。
1日300円~500円くらいの、1万円~1.5万円くらいとすることが多いです。けど、移動距離や大きな道を挟んで移動が大変、とか、色々条件が変わるので一概には言えません。

敷地外の駐車場の防犯対策や保険は?

一般的に、特別な防犯対策は行いません。移動先の区画が通常用意している設備のみ。(たいがい防犯カメラは設置されていません) また、特別に保険をかけることもありませんから、事故があればご自身での車両保険を使ってもらうことになります。

これは敷地内であっても同じで、敷地内の事故は管理組合は免責としています。

ここは少しトラブルになりやすいです。過去にもこれで「絶対に外部への移動が嫌だ」という人から特別にお金を徴収して、移動してもいい人に渡してお願いする、とかやったことありますが、積極的に管理会社や設計からこの方法を進めるのも手間あるし、で標準仕様としてはそういうのはやってません。駐車場料金の精算が超面倒なの・・・。

身体の都合で、外部駐車場の利用は困ります

よくあるのが妊婦、車いす。配慮してあげればよいでしょう。
ただし、上に書いた「絶対に外部への移動が嫌だ」への配慮をするパターンの場合は、事情によらずお金をもらう、という風にしておかないと収拾がつかなくなります。

特にそうした配慮をしない場合は、事前に説明会で「○月○日までに連絡をください。連絡がない場合は対応しません」と言っておくと、こちらからアクションを取らなくて楽です。かつ、そのうえで、役員に声をかけておいて「もしそういう人がいたら相談します、敷地内と誰か変わってもらうとか助けてもらわないといけないかもなので、そのときはスミマセンがよろしくしてください」と言っておきましょう。

いろいろイレギュラーというのはあるものです。

工事中、勝手口の鍵が開けっ放しなんですが・・・

一般的なやり方です。あんまり自分も納得はしてないですが、とにかく一般的なやり方です。

ちなみに、床面の機械洗浄のときも開けっ放しにしていることが一般的です。あんまり自分も納得はしていないです。

一応、対応として、通用口の鍵を貸し出す、工事用暗証番号を伝える、などがありますが、やはり、作業効率が落ちたり、インターホン含めてエントランス周辺が汚れてしまったり、ということはあるので、色々考えたりやったりしたのですが、今のところは開けっ放し案がいいのかなあ、と思っています。

工事の水、電気代はだれが負担するの?

管理組合負担です。工事会社に負担させてもいいのですが、結局その分見積もりに乗るだけなので一緒というか、余計に見積もるので経費が増えます。

ちなみに、電気代は、50戸規模のマンションで10万円くらいあがる印象です。水はそこまで上がりません。

(賃貸入居者が)工事で迷惑している。補填はあるの?

ありません。
部屋の利用は、賃貸入居者と、貸しているオーナーとの契約。

管理組合、管理会社、工事会社の場合は「申し訳ございませんが・・・」と、丁寧にお断りしましょう。
オーナーとの契約についてはどうしているのか私はよく知りませんが、チラっと裁判例を探したときは、どうやらそういうこともあるようなのは見つかりました。(契約の免責事項に入れておいたほうが良いのでは、とか思いました)

おわり

おわり。

ABOUT ME
はじめちゃん!
はじめちゃん!
分譲マンションを管理する会社に勤めています。 資格:管理業務主任者/マンション管理士/宅地建物取引主任士/マンション維持修繕技術者/二級電気工事士/2級建設業経理士/二級建築士/1級船舶免許

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