キュレーション的に、参考になる情報をまとめておきます。
いろんな方の意見
以下のところが参考になります。
↓はタップしたら開きます、続きはTwitterでご覧ください
コロナウイルスと総会で、土曜の理事会(最終で2月なくなります)でもいろいろ聞かれたのでその時の私の答えを連続ツイで。
ぶら下げていきますね。→
— はるぶーは㍇ヲタクで会うと凄くいい人です (@haruboo0) March 30, 2020
↓は管理士事務所の見解。
マンション管理組合からの新型コロナに関するご相談が立て続けなので、Q&Aでまとめました。
・総会の会場が見つからない!延期して大丈夫?
・総会が延期に!私の理事の任期はいつまで?
・集まらないで総会ってできないの?
・そもそも総会は今やるべき? etchttps://t.co/VqktFvymm0— ホームインスペクターゆかこ@さくら事務所 (@sakura_tatemono) March 30, 2020
↓は弁護士である桃尾先生の大変ためになるブログ。
http://momoo-law.hatenadiary.jp/
総会するの?の所感
管理組合としてはスケジュールどおり総会をやらないと色々と問題が出ます。それと、諸々のリスクとどちらを取るかという話ですね。
私は「絶対にスケジュールどおりに総会を開催しないといけない」とは考えていません。
実際問題、総会開催は日常生活とリスクはそう違わないとは思っていますが、昨今の社会情勢を鑑みると、万が一、総会を原因として感染拡大が確認された(またはそうでなかったとしてもそうだと誤認されうる状況となった)場合に、管理会社も含め、マンション全体が凄まじい批判を浴びることになるはずです。結果、魔女裁判的な犯人探しに行き着くでしょう。その時に感情的に批判する方に対して理性的な「いや、それはそうではなくてですね」が通じるとは到底思えません。また、もし仮にですが、それが原因で不幸があった場合、今と同じような冷静なテンションでその方と接するだけの胆力を私は持ちません。
あと、気持ち問題として自分の行動を後悔すると思います。たとえ理性では自分に責任がないと割り切ったとしても、気持ちでは割り切れるものではないと思います。
大事なことは、現段階では、コロナウィルスによる社会的な影響、リスクは正確に判明したわけではないということだと思います。「日常生活を送ること」自体が、後世の人にとっては信じられない愚行かもしれません。
人間の感覚というものは、周囲の環境によって大きく変わるものです。今あなたの思考は、1年後のあなたの思考と全く同じなわけがありません。常に常識は疑うべきです。
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というわけで、それら諸々の目に見えない面倒ごとのタネを見る限り、ま、いろんな法令や規則を多少守れないことがあったとしても、おとなしくしておく(=総会を延期する)という選択肢はあると思います。
無論いろいろな不具合が生じることは承知しています。「非常時だから延期して良い」と言いたいわけではありません。
しかし、規則や法令は人を守るためにあるもので、ルールに縛られて最善が選択できないのは愚かというほかないでしょう。マンションにとって何が最善なのかは価値観にも影響されますが、ひとまずルールは脇において考えてみる時間は作っておかないと、色々見誤るかもしれないな、とは思っています。
管理会社はどうしているか
さて、一方で、実務者として「総会を開催しない」ということは、それはそれで様々な面倒(どちらかというとリスクと言うより面倒)が多いことは容易に想像がつきます。
実際にどんな不具合があるかということは逐一挙げませんが、まあ色々大変そうです。本当に。
フロントとしては、正直なところ、組合の雰囲気を見ながら現場ごとに調整するしか無いだろうとは思っています。
と言いながらも、現場レベルでは、できるだけ通常開催をするように誘導する、というのが、今の管理会社の姿ではないかと思います。
フロントとしてのアドバイスは?
「総会をやらなかったらどうなるか」をお伝えする程度で、「やったほうがいい(またはやらないほうがいい)」という助言はできないと思います。
管理会社としても、「管理会社が言ったから総会をやったんだ、責任を取れ」と言われてもそんな責任なんて取りようがないわけですから、意思決定は完全に組合側に委ねることになります。
で、実際のところは?
「気になる方は議決権行使の提出を求める程度の案内で通常開催する」くらいが「3月中は」妥当な線だろうと思っていましたし、実務レベルでは今のところ、その程度で、通常通り総会を開催しています。
が、4月以降、患者が増えますます社会的にも大きな混乱が予想される中で、「総会なんぞやっとる場合ちゃうぞアホなんか」という意見はでると思います。
そのときにどうするかは、今の所未知数です。
(個人的には、4月はともかく、5月~6月の総会は全国的に延期になるだろうと思っていますが…)
現時点での総会開催の正解は?
→問題は”質疑応答が成立しない”ことなわけ。これは質問シートをつけて必ず事前回答かつ議事録記載すると公約することで当日来ないでもほぼ用が足りるようにはできます。うちはもともと総会に来ない人の質問に法務部だの弁護士だのが回答したのを総会で配布したりしてて昨年は9ページとか →
— はるぶーは㍇ヲタクで会うと凄くいい人です (@haruboo0) March 30, 2020
今は↑が限りなく正解に近いと思います。
やれる組合はここを目指すべきです。
問題点
ただ、一般の管理組合の場合、「質問に誰が回答するのか?」という大きな課題があります。実務的に、管理組合で運営に関する質問に回答できるところは、全体の上位5%程度の優秀な組合でしょう。
実際のところ、多くのケースでは管理会社が回答の素案を作成することになるでしょうが、これには相当の時間、手間がかかります。(管理会社としてはできるだけそれを引き受けたくないという心理が働きます)
また、管理会社が作成した素案についても、理事会レベルで確認するのか、理事長単独で確認するのかも非常に悩みます。
理事長が優秀であれば良いですが、そうでなければ管理会社の書面にメクラバン、そして炎上、というシナリオは十分に想定できます。
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余談ですが、組合への質問は大きく分けて二種類あります。
- 手続き的な、実務を問う質問
- なぜそれを行うのか、方針を問う質問
実務面の質問は管理会社が答えても、さして問題はないと思います。
問題は、方針を問う質問です。「なぜこの議案を上程するのですか?」という質問に管理会社が答えるわけにはいきません。
総会であれば、ある程度は管理会社が「○○ということを理事会で話し合いました。ね?理事長さん?」という答え方をしているケースが多いとは思いますが、書面ではそうはいきません。
そのあたりの調整を、輪番理事が管理会社と蜜に打ち合わせてできるかというと、まあできなくはないとは思いますが、かなり大変だと思いますし、本人の能力も問われると思います。(無能が理事長になれば、理事長はハンコを押すマシーンになれば良いので管理会社がある程度のレベルで処理してくれますからむしろ安定しますが、中途半端にやる気があってでしゃばるピーな方が理事長だとなかなか目も当てられない感じになるかもしれません)
そもそも、組合運営に関する回答を、素案とは言え管理会社が作成する事自体、かなり慎重にならないといけないという点もありますが。(組合の意思を容易に操作できるからです)
実務的な落とし所
総会の人数を極限まで絞り、質疑の回答を事前二書面で行うのならば、案内~開催までのスケジュールを長めに取る方向で解決するしか無いと思います。(通常の、議案書配付後2~3週間後の総会開催、では明らかに準備が不足します)
具体的には、『質疑の受付期間を議案書配付後の2週間以内とし、その後2週間後に全戸へ回答提出、それから議決権行使の提出を求め2週間後に開催』くらいが最短でしょう。個人的にはもっと余裕を持ってもいいと思います。
また、可能であれば質疑はメールで受け付けたほうがいいでしょうね。紙ベースでの受け取りとなると、管理会社の動きは更に悪くなります。
ちなみに、管理会社の現場担当としては、これらが全組合で発生するとなると白旗を揚げるしか無いだろうなと思っています。(業務量的に全数は対応できません、がんばれて3ヶ月程度かなと思います。すでに実務面では色々と面倒事が発生して業務量は増えています)
理事会の開催については?
全国的には、電子的な決議がとれるように規約を調整している組合のほうが少ないでしょう。(もし、今から規約を変えたくとも、規約変更のための総会決議が不可欠ですからやっぱり難しいです)
理事会を開催するのであれば、時間を短くして開催、という方向しか無いと思います。書面での決議ができればベストですが、電子的な決議と同じくこちらも多くの組合で認められていないのでできません。
現実的なところでは、事前に書面を配付し各自に読み込んでもらい、質疑も書面やメールで受け付けた上、一応形式だけ決議には集まって、5分で解散、程度くらいがもっともリスクのない方法かなと思っています。
ちなみに、理事会を開催しなければ「決められない」事項というのは実はそれほど多くありません。日常業務的なところであれば、理事長の決済だけで間に合うものも多いでしょう。
ここは長くなるので詳しくは言いませんが、理事会のほとんどは、組合運営の方向性を決めるために集まって話し合っている、という側面が強いです。(規約を読んでみてください)
なので、実務的には、特に50戸以下程度の小規模組合なら、理事会を開かなくても管理会社と理事長が打ち合わせれば組合の通常の運営は滞りなく進むと思います。このときに不正を疑われても面倒なので、実施事項はこまめに理事会メンバーを含め他の区分所有者に周知することになりますが、まあ大きな混乱はないでしょう。さしたる手間でもありません。
ただし、腰を据えて話し合える時期ではありませんから、難易度の高い懸念事項は、残念ですが協議自体を延期せざるを得ないでしょうね。大規模修繕工事にも影響はかなり出ると思います。(一旦検討を中止するなど)
諸々、社会的に落ち着くまでは急がない協議は中断し、現状維持を継続するというのが多くの組合の姿になると思います。
特にこれからはどんどんそうなっていくと思います。(ちなみに、実務的な感覚でいうと、今はまだアンテナの低い組合は割と通常運転ですが、来月の中旬頃にはそういうところもしゃきっとするだろうと個人的には思っています)
なお、会場に関しては、いつも使っている施設が閉鎖しているとしても、近くの公園ででもやればいいでしょうから、個人的にはそれほど強く心配はしていません。そんなもん工夫せんかい、という範囲です。(まあ面倒であることは確かですが)
管理会社は?
管理会社もアホではありませんから、本件に関してはかなり注意深く情報を収集しています。「どうしましょう?」については聞けばなにか答えてくれるとは思います。ただ、かなりの部分が「担当者の私見」みたいなところになると思います。
また、慎重な担当ならかなり言葉を選んで答えるでしょうから、「喋ってるけど何も言ってない」みたいな返答になると思いますし、そういう方のほうがむしろ信頼できると考えて良いのかなと思います。いま軽々に「こうしたらいい、こうすべきだ」とリーダーシップを発揮して回答する管理会社の人には、むしろちょっと気をつけたほうがいいかもしれません。
清掃は?
他社のことはわかりませんが、消毒液を常設するなら組合の指示で組合負担。
消毒液を清掃時に使用するのであれば、組合が指示せずとも管理会社が勝手に管理員に配給しているところも結構あるんじゃないかな?と思っています。
ただ、「館内全体を消毒せよ」と言われても無理ですし、エレベーターのボタンをこまめに清掃、と言われても効果があるのかどうかは微妙です。
一応、特にそう言われずとも各管理員さんは普段よりも清掃には力を入れていると思います。
うちの会社がどうしているかは、、、ここでは伏せておきますが、まあそれほどなにか特別なことができたりというわけではありません。
様子を見ながらも、ぶっちゃけ何も決まってない、というあたりが管理会社の本音ではないでしょうか。
ちなみに、現場の管理員も、どちらかというと高齢で、むしろ住人にうつされたくないなあ、というポジションであることは、組合もそうですが管理会社も気にしたほうがいいと私は思っています。
公表されているような強力な感染力と高い死亡率(しかも若年層はリスクが低く高齢者の重症化リスクが高い)が正しいのであれば、全国規模で広がれば各支店で数人は亡くなるだろうと考えておかないといけません。
他の情報
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00009.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00004.html
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov.html
このあたりでしょうか。
いずれにせよ、いまは防御力高めでいきましょう。