工事の際、「光ファイバーが引き込めないので工事ができません」と言われた場合の対応についてです。
普通、戸建住宅ではなかなかないですから、マンション向けの考え方です。
ひかり配線方式は、部屋の中まで光ファイバーを引き込む方式のこと
さて、このひかり配線方式ですが、申し込んだらすぐ使える、とはいきいません。
- NTTへ申し込み
- 工事業者が訪問、光ファイバーを引き込み
- 開通
これがひかり配線方式を工事しようとしたときの手続きの、ざっくりとした流れです。
分譲マンションの事例
戸建てであれば、工事には特に大きな問題はありません。
戸建の場合、とにかく光ファイバーを家の中まで引き込めばいいので(多くはエアコンダクトを使います)、家の周りを調べて配線が引き込めそうなところを見つけて引き込んでくれます。
どうしてもだめなら壁に穴をあけることもあります。
しかし、マンションは戸建てのように簡単ではありません。
光ファイバーを通す配線は決まっている
通常、電話配管に光ファイバーを新しく通します。
ということは、その配管が詰まっていると工事ができない、ということになります。
マンションの壁はコンクリートですから、戸建てのように穴なんてあけられません。
配管が詰まっていた場合はどうするのか
工事会社さんは、
「工事ができないので、マンション管理会社さんに聞いてください」
とおっしゃって撤収するケースが多いです。
分譲マンションの場合、通常、管理会社は部屋の中の管理をしていませんから、管理会社に連絡をしても解決しません。
「そもそも管理会社は配線のことについては責任の範囲外」の存在です。
もちろん、何らかのアドバイスはしてくれるでしょうから、頼っても良いとは思います。
光ファイバーを通すための解決方法
解決方法は2つです。
- 新しい引き込みルートを作る
- もう一度トライする
新しい引き込みルートを作る場合
この場合、工事費が別で必要になります。
工事も、「配管が見えて良い」というのであれば、電線用モールなどを使えば安く仕上がることもあります。
天井裏に作業スペースがあればよいのですが、全く無い場合は、「点検口」と呼ばれる作業用開口部を開けないといけない可能性もあります。
もう一度トライする
私もよくこういった事例にあたるのですが、その場合は、まず、工事会社と交渉します。
前述のとおり、「既設配管ルートを配線が通らなかった」という工事結果のもと、工事業者は「通らない」という返答をします。
しかし、再チャレンジすると通ることは多いです。
ただし、「配管が途中で途切れている」とか「リフォームした時にふさいでしまった」など、手の施しようのないパターンもありますが・・・。
なぜ再チャレンジすると通るのか、という理由については、見えない配管内に新規で配線を通すための方法にあります。
これがかなりアナログです。
配管を通す専用の堅くて長いワイヤーを通して、配線を通したい部屋までワイヤーを引き込みます。
次に、そのワイヤーに光ファイバーをくくって配線を引っ張って引き込みます。
物理的に配線の中にワイヤーを通して引き込むので、このワイヤーの使い方のうまい下手、、、というより、「通すまで粘るかどうか」で結果が変わります。
そんなわけなので、工事業者さんがダメだと言った場合でも、再チャレンジをしてもらうことで引き込める可能性があります。
一度だめだと言われたからとあきらめず、再交渉をしてみる価値はあります。
工事会社さんとの交渉のコツ
とはいえ、単に「もういっかい!」といったところで工事会社さんも暇じゃないのでやってくれません。
以下のような交渉をすることで、よい結果を引き出していますのでご紹介します。
- 御社では工事ができないことは理解した
- 今後、こちらで施工業者を手配し工事を行う予定である。しかし、他物件でもそうなのだが、工事をしてみると通ったという事例は意外と多い。
- もし、当社が工事を行い、配線が通った場合、お客さんへは嘘をつくわけにもいかないので正直に話をすることになる。
- お客さんとしても納得しかねるだろう。
- しかし、当社としても業務として受注した以上、料金はお客さんへ請求せざるを得ない。
- その場合は、御社へいくらかの負担をしていただくことになるという話は、どうしても出る可能性は決して低くないと思われるが、そのご相談できるのか?
住人から直接交渉してもよいですが、管理会社か、もしくは電気工事業者からが効果的のようにも思います。
特に脅すような言い方をしたことはないのですが、丁寧にお話をさせていただきますと、うっかりえらい方がでてきてやってくれたりします。ありがたいですね。
まあなんにせよ、引き込みができないこともありますから、ダメならダメで仕方がないですし、必要な経費は負担しないといけません。
一度上記の交渉にあたってみるのも一つです。
繰り返しになりますが、リフォーム等によって配管がそもそも途切れている、という場合はどうしようもありません。
また、工事会社さんも、現場の工事担当者さんも、頑張ってはいますから、語気を荒げてクレームを入れるのではなくて、「なんとかお互いにとって良い方法を考えよう」、ということを柔らかくそして強かに伝える、という一つの事例のご紹介です。
そもそも、なぜ光ファイバーが通らないのか?
よくあるご質問ですのでご紹介します。
「光ファイバー敷設マンション」が登場する前のマンションでは、電話回線を利用してインターネットを利用していました。
ですから、マンション新築時は、「新築時に敷設していた配管には電話配線が通っていた」状態です。
光ファイバーという存在はありませんでしたから、光ファイバー用に配管ルートを開けていたわけではありません。
それが時代の流れとともに「光ファイバー方式」というサービスが登場し、より速い速度で異端ーネットが利用できるようになりました。
この光ファイバーは、電話用の配管を間借りする形で通します。
ですから、もともと設計外のものを無理やり通そうとしているので、「通らない」だとか、「通りにくい」ということが起こるのです。
最近建築されたマンションの場合は、当初から光ファイバー用ルートが確保されていることがほとんどですから、配線が通らない、ということはまずありません。
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