マンション管理のはじめちゃん!

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マンション雑記

ロンドンの高層住宅の火災原因と、それが日本でも起こるのか問題

投稿日:

ロンドンの高層住宅火災。

つい先週(2017年6月14日)に発生して、いまもまだその興奮冷めやらぬ火災。

 

とはいえ、私にとっては完全に対岸の火事。

マンション管理の現場(つうか当社)でそれが取りざたされるようなことは、別になく。

私自身も、

 

「うわぁ、すげぇ燃えてる」

 

というくらいの感想。(無責任)

 

とはいえ、「あんなことなる?どんな建て方してるんだろ?」くらいには思ってました。

と思ってましたら、「それが日本で再現される可能性があるのか否か」という質問がタイムリーにあったので、すこし調べた結果をご報告します。

(※あくまでも個人的に調べた結果です、信ぴょう性には責任持ちません)

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ロンドンの高層住宅の火災の原因は?

本件の火災の直接の原因は、「冷蔵庫が爆発した」という少々ファンキーなもの。

なんで冷蔵庫が爆発するんだよ、中国かよ。

 

と、思いました。

まあ、これはどうやら目撃者の言葉のようなので、少々怪しげ。

くわしくは、これから現場検証が行われることでしょう。(その情報はおそらく日本のメディアからは届かないのだろうとは思いますが)

 

とまれ。

直接の原因はこの際なんだっていいです。

冷蔵庫が爆発する可能性も、天ぷら火災の可能性も、タコ足配線からの火災、そして寝たばこ。

ガス機器やその他の安全装置も発達していますし、それらが直接の火災の原因になるかどうかはわかりませんが、とにかく、いずれかの原因で、マンションの一室に火災が発生したと仮定します。

火災単体で見れば、それは十分に起こりえます。

 

日本のマンションの安全性の検証

日本のマンションはコンクリートで作られている

日本のマンションは、

◆S造(鉄骨)

もしくは

◆RC造(鉄筋コンクリート)

で、建築されています。

 

そして、一般的なマンションは、おおむねRC造、つまり鉄筋コンクリートでつくられていると、いわれています。(規模や築年数等で一部例外もありますが)

また、特に、タワーマンションと呼ばれるような高さのマンションはなおさら鉄筋コンクリートで作られている(ハズ)です。

 

なぜ鉄骨造ではないのかというと、「鉄骨で作るとマジ揺れて寝てらんないから」

東京タワーなんかは鉄骨です。あれ、のぼるとグラグラしてますよね?

あんな中で生活なんてできないので、比較的しっかりしたコンクリートで作ります。

 

コンクリートは燃えない

理由はともかくとして、コンクリートは燃えません。

そんなわけで、日本のマンションは火災に対しては非常に強いと言われています。

私の経験上、過去に1度だけ(他部署の管理物件でしたけど)火災現場に遭遇したことがあるのですが、確かに火災による被害は1室だけでぴったしおさまっていて「すごいなあ(小並感)」と思いました。

ただし、火災によるススや放水による漏水。さらには給排水管、電気、ガス管の損傷によって、周囲の住戸ごと、とても住めるような状況ではありませんでした。

余談ですが、賃貸マンションでしたので、ホテルの手配とかめちゃんこ大変だったみたいです。

 

法令上の制限

日本のマンションは、「建築基準法」、という法律によってその設計を制限されています。

その建築基準法によると、マンションは「耐火建築物」に相当します。

 

さて、その「耐火建築物」がどういうものか、という話になると・・・長いのでカット。

重要な点は、「耐火建築物」には、「防火区画」という考え方が適用されます。

※参考:防火区画のウィキペディア

 

この「防火区画」という概念では、「火災が燃え広がりにくいように(あるいは燃え広がっても逃げられるように)ちゃんと安全設計しようね」、となっております。

さて、前述のとおり、コンクリートは燃えません。

なので、火災の際に「建物自体が燃えてやばい」なんてことはあんまり心配しなくて大丈夫です。

(燃えないと言ったところで、加熱によって著しくコンクリートの強度が下がるので、燃えてもゼンゼンヘーキ、って意味でもないのですけれど)

 

そして、日本のマンションが、特に周囲へ燃え広がりにくい原因としては、一つに「ベランダがあること」が、一般にあげられています。

 

火は上へのぼる

火は上に上ります。

上へ、上へ。

のぼるのですが、日本のマンションは、ほとんどの場合、ベランダが設計されています。

建築技術の向上やマーケティングの結果、新しいマンションほどベランダがどんどん広くなっている傾向にあります。

横に1メートル以上もでっぱっているベランダを超えて火が上階へ上ることは非常に困難であり、結果として、マンション火災は1室、ないしはベランダの可燃物を伝って左右の住戸にしか広がらないケースが圧倒的に多いのです。

※そういう意味でもベランダにもの置いちゃだめだよ!

⇒参考:https://mscondo.com/beranda-nigeokure

 

そういうわけで、日本のマンションで、本件のロンドンと同じような大規模な被害にまで拡大することは、あまり考えられません。

 

じゃあどうして発生したのさ?

前置きが長くなりました。

さて、ではなんであんなに大規模に燃えたのか。

どうやら、ファサード火災、と呼ばれる火災のようです、

なにかというと、まあざっくりといえば「外装が燃えとるがな」という話の様子。

確かに、メディアで報道されている写真や動画を見ても、やたらと外壁がボロボロ燃えて灰が舞っていました。

ウレタン系の外断熱が施されており、その断熱材が火元になって燃えまくった(のでは?)と言われているようです。

 

日本と海外の断熱工法の違い

日本は、「内断熱」、という極めてよろしくない断熱工法を採用しています。

(極めてよろしくない、というのは個人の見解です)

 

コストや環境など、様々な理由で日本では断熱工法が採用されているのですけれど。

イギリスでは、断熱といえば一般に外断熱が採用されている国(だったはず)。

 

内断熱と外断熱、読んで字のごとくですが、

 

内断熱:コンクリートの内側(つまり室内側)に断熱を行う

外断熱:コンクリートの外側(外壁側)に断熱を行う

 

というものです。

建物をまるっと覆ってしまう外断熱のほうが条件的に良い断熱工法であり、内断熱は比較して劣る、と言われています。

(日本のマンションで内断熱が採用されている主な理由は私にわかりませんが、コストと相談した結果なのだろうとは思います。結果的に、内断熱のほうが経済的に合理的な選択だった、と、つまりそういう話なのではないかと)

 

とかく、この時の断熱材として採用した材料が燃えてあそこまで大きく広がったと。

これがコトの真相なのではないか、というのが調べた結論です。

(こんなくだらない話のために長々とお時間付き合っていただいてなんかスイマセン・・・)

 

日本でそれが起こるのか?

つい先日、「こんな火災が日本でありえますか?」と、聞かれたので、「絶対とは言いませんが同様の条件で大規模火災が発生することは考えにくい」という安易な答えをしたところ、お客さんが微妙な顔してたので上記のことを調べました。

(どうやら、ツイッターとかで「発生したらまた想定外かよ」とか言われまくってる様子。だってそんなの考えらんないんだもん!)

 

と思っていましたが、いやいや。

要するに、本件は「外壁材が燃えた」という話なので、再現性としては十分にある。

要するに古いマンションの古い外壁材が燃えたらヤバいんだ。

 

しかし、上記の通り外断熱を採用していない日本では、そもそも外壁に燃えるようなものがないので、大きく燃え広がる条件が整っていないだろう、というだけの話。

 

はてさて。

それって日本であったのかなあ?と思ってたら、あったみたいです。

参考:http://www.fdma.go.jp/html/data/tuchi0904/090414yo69.pdf

↑PDFが開きます

 

もう20年前に広島で発生した事故とのこと。

条件を要約すると、「ベランダに使われていたアクリル板が燃えて大規模に火災が広がった」、と。

それ以降、規制がかなり厳しくなったので、以降のマンションでは対策がされているようです。

確かに、今はガラス使ってますもんね。

つまり、

同様に、ベランダの建築材料に燃える資材を使用しているマンマンションであれば、同様の被害が発生する可能性はぜんぜんあります。

だたし、該当するマンションがあるかどうかはわかんない!

あってもすごく古いマンション。

 

タワーマンションでの火災の対策?っつうか注意

古いマンションなら別ですが、比較的新しめのマンションであれば、火災に対してはかなり厳重に法令で縛られていっます。

特別に個人が、何か焦って考えるようなことはないような気はします。

あえて言うなら、

  • 消火器を個人宅に設置しておくこと
  • 万が一の際に持って逃げるもの袋を作っておくこと
  • 消火器の使いかたや、通報設備の使いかたを理解しておくこと
  • 避難経路を確認しておくこと
  • 避難場所を家族で打ち合わせしておくこと

 

でしょうか?

要するに、「日ごろから災害対策をシミュレートしておくこと」が大切です。

もちろん、災害は火事だけではないので、地震、津波等にも注意が必要です。

 

マンションの設備面

マンションの設備面については、高い建物にはスプリンクラーが設置されていたり、火災感知器が設置されていて自動通報されたりと、最初から十分(と思いますけど)な検討がされていますので、どちらかというと「適切に設備の点検・管理が行われているか」が重要です。

アスクルの倉庫の例も記憶に新しいところです。

いくら設備の設置があっても、点検がされていなかったり、修繕がされていなければ意味がありません。

 

ベランダにたくさん物を置いている方はいませんか?

廊下に自転車おいてませんか?

地震の時、それが倒れてきたらどうしますか?

逃げるときにつまづいてけがをしてしまったら?

ふさがって逃げられず、炎にまかれてしまったら?

隣近所の方との連携は取れますか?

外出中に子供と連絡が取れない場合は?

 

本件のロンドンの火災のようなものが日本で起こるとはあまり想定はできませんが、いずれにせよ、災害はいつだって確率で起こります。

一度、ご自宅で災害が発生した場合のシミュレートをしてみること、そして、家族と真剣に話し合うことをお勧めします。

 

余談:エレベーター動かないよ!

火災が発生すると、火災感知器が作動します。

安全のため、この火災感知器の作動に連動して、エレベーターが停止するように設計されています。

(連動しないマンションもありますが、経験上、ここ10年くらいに建築されたマンションであれば連動して停止する設備がついている可能性が高いように思います)

 

火災の際は、エレベーターが止まる可能性があるのでエレベーターを使わないように、とうことはもちろんそうなのですが、それ以前にエレベーターが機械的に止まるんですね。

ええ、避難も大変です。ご注意ください。

あ、停止といっても、最寄り階で停止するので、閉じ込められることはありません。その点はご安心を。

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