マンション管理のはじめちゃん!

『マンション管理』のこととか。筆者はフロントマンだよ。

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お時間ありましたらお読みくださいますと、少しだけ理解が深まるかもしれません。

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フロントマンに向けた記事

マンションの管理費等の滞納に対する管理会社の対応

更新日:

管理費の滞納。残念なことですが、分譲マンションではつきものです。
一般にマンションの管理会社で採用されている事が多い対応について、簡単に書いてみました。
絶対にこう、ってわけではないですが、会社が変わってもそれほど大きな違いは無いように思います。
また、督促業務にあたる担当者は、フロント担当・経理担当・部門長等や社内の法務部など、様々なパターンはありますが、それほどやってることはかわらないかな、と思います。

自主管理の管理組合の方がご覧になられても、大まかな流れは理解頂けるように書いたつもりです。
だいたい同じような流れで、はやめはやめの督促をしっかり行いましょう。

1.管理費等の滞納が発生した段階(1ヶ月目)の対応

管理会社は、書面を郵送します。
「引落しできませんでしたよ」という書面です。

  • この時点で、担当者は、とりあえず滞納者へ電話連絡をして事情をお伺いします。

多くの場合、原因は『引落し口座の残高不足』です。
電話をすると、「すみませんでした、入金しておきます」と、ほとんどはここで片付きます。
ただ、連絡がつかないケースもあります。
この時点で担当者が訪問して直接話を伺うケースは、あまりありません。
(何かのついでとかなら訪問はあるかもしれませんが)

2.管理費等の滞納初期(2ヶ月~3ヶ月)の対応

ちょっと雲行きが怪しくなってくるのがこのあたり。
口座残高不足を2ヶ月続けるのであればズボラな人ですし、本当にお金が無くて払ってくれていない可能性があります。
また、「入金しておきます」という回答があったにもかかわらず入金されない場合、長引く可能性があります。性格がルーズであるというところに要因があると思われるからです。ルーズな人は、本人にお金が有る無しに関わらず入金が遅れがちです。
そして、遅れてしまってたまった管理費はなかなか払えなくなってきます。
また、単純に電話連絡がつかない場合も長引く可能性があります。(そして電話が繋がらないのが一番面倒くさいです・・・)

  • 管理会社からは、継続して「引落しできませんでしたよ」書面を毎月機械的に郵送し続けています。
  • 担当者は、電話をするだけではなくて、訪問します。その時に会えなければ書面を投函します。

上記2つのの対応は、以降、引き続きずっと行う事になります。(もう書きませんが)
書面より電話の方が効果があります。
そして、電話より直接訪問して会うほうがより効果的です。

3.管理費等の滞納中期(3ヶ月~6ヶ月)の対応

実のところ、多くの管理会社は滞納3ヶ月を経過した時点で、契約上の督促業務は終了します。
とはいえ、ほったらかしにもできないので、管理会社は引き続き督促業務を実行します。
但し、そこに管理会社としての責任はありません。3ヶ月をこえた時点で、その業務の責任は管理組合へ移るからです。

  • 担当者は、連絡が取れなければ連絡をとれるように努力します。
    なお、多くの場合、緊急連絡先などにはこの時点ではまだ連絡しません。最近はなにかとウルサイので。
    (もしかしたらコンプライアンスの観念がゆるい会社であれば連絡しているかもしれないのでご注意)
  • 連絡が取れた上で入金がないようなら、理由の如何に関わらず念書を書いて頂きます。

マンション管理費等の滞納の場合の念書の内容とは、

  • 毎月○万円払うことを約束する(遅延損害金も含めて支払いの意思を確認する)
  • 念書を書いた時点で時効は中断する
  • 今後も入金がなければ、理事会や総会の場にでてきてもらって事情を聞く場を設ける事になる
  • 今後も入金がなければ、駐車場の強制的な解約がされる事となる
  • 今後も入金がなければ、法的処置(裁判など)をする事となる

という内容が盛り込まれた書面です。
上記の内容は、特別な内容ではなく、多くのマンションで採用されている管理規約にその旨が書かれていると思いますが、もし、書かれてない場合は管理規約を見直した方が良いかもしれません。

4.管理費等の滞納が本格化した場合(6ヶ月目)の対応

6か月も入金されない。
マジもんです。
滞納額は10万円を超えています。
どんどん増えていきます。
しかし、萎えてはいけません。
10万円くらいのお金、ほとんどの場合は払えるのです。
ただ、他の支払いに充てているのです。
管理費を払うと生活が厳しいから払わないでおこう、と、滞納者は頭の中で計算しています。
なめられています。
マンションの管理費を払う優先順位が低いのです。
このあたりでとっちめておかないと、エスカレートして止まりません。

管理費等の滞納者に対する具体的措置

  • 駐車場の強制的な解約
  • 理事会に来てもらって、複数の人前で釈明
  • 役員メンバーで自宅へ押しかける
  • 内容証明による支払催告書の送付

要するに、管理費を支払う優先順位を上げて頂くのです。
スマホのゲーム代よりも先に払っておかないととんでもないことが待っている、と認識してもらうのです。
ほとんどは、この対応を行った時点で何らかの解決が見込めます。
分割払いを申し出てきたり、です。
また、内容証明を送ると、ほとんどの方はびっくりしてごめんなさいって言ってきます。
それでもやっぱり解決しない場合は、もう訴える(法的措置)しかありません。

管理費等の滞納者に対する法的措置とは

  • 支払督促
  • 少額訴訟
  • 通常訴訟

などのことです。
これらの法的措置は自分でやってやれないことはないです。
あなたが自主管理の理事長というなら、やってみると手続き自体は案外簡単なので、やってみてもいいと思います。やる気があれば十分に可能です。
ただ、あなたが管理会社の職員で、仕事で訴訟関連をするつもりならやめときましょう。
手間に見合いませんし、そもそも訴訟は本人(理事長)でないとできません。
書類ひとつつくるのも経験がないとすんなりと進まないので、ここ以降は慣れたプロ(弁護士等)にお任せすると良いです。
また、管理会社は、法務部をもっているか、顧問弁護士を雇っているケースが多いと思います。彼らに委ねましょう。

訴訟後の滞納者に対する措置

  • 給与の差押え
  • 第三債務者(要するに賃借人)の家賃の差押え

などがあります。
『金がないなら家売って金作れや』、みたいな話をする威勢のいい方もいらっしゃいますが、裁判でそこまで認められるケースというものはあんまりありません。
家は大切な生活の拠点なのです。管理費の滞納何十万円のお金でそれを奪う事は、なかなか難しいです。

その他にしておくこと

  • 登記簿謄本をとる
  • 管理規約を見直す(訴訟の費用を相手方に請求できるようにしておく)

登記簿をとっておいて、抵当権の有無も確認しておくと良いです。
抵当権がついていれば(例えば住宅ローンなど)、そちらの支払いも苦しくなってきていると思われるので、マンションの管理費以外のところからの圧力で競売に出されるケースはあります。
そして、滞納した管理費等については、マンションを買った次の持ち主に払って頂く事になります。

また、最新の標準管理規約では、訴訟の費用を相手方に請求できるという旨が記載されています。
対応していない様なら、いい機会なのでかえておくと良いです。
それだけで、滞納者に対するけん制にもなります。

マンションの管理費等の時効について

消滅時効。
管理費を5年間支払わずに無視し続けると、時効を迎えます。
ちなみに、5年間払わないと一気に5年間分が時効でなくなる、というわけではなくて。
5年前を1ヶ月過ぎた段階で、その過ぎた1ヶ月のものから時効が順次成立していきます。
時効を回避する方法は大きく二つあります。

  • 支払計画書を提出させる(民法第147条第3号に該当する内容で書いてもらう)
  • 裁判で勝つ。

[aside type="normal"]細かく挙げるともっとたくさんありますが。時効中断の効果が不確かであったり、限定的だったりするのでここでは書きません [/aside]

信用情報について

クレヒス。
本件は例外もありますから、参考程度に。
一般に、マンションの管理費等を滞納したからといって、信用情報が傷つく事はありません。
管理費は管理組合(或いは管理会社)が、収納代行会社を通じて回収しているものであり、そして収納代行会社はその情報を信用情報機関へ登録しているわけではないからです。
[aside type="warning"]例外があるかもしれないのでご注意!
ネットの情報で一生をふいにしちゃだめだよ[/aside]

そういう意味では、1ヶ月引落しが出来なかったくらいのことで、例えば不機嫌になって夫婦喧嘩までせにゃならんようなことではありません。
しかし、管理会社からは、理事長をはじめとする管理組合役員へ会計の報告が行われており、そしてそこには1ヶ月でも滞納者として名前が記載されます。
うっかり引落しが出来なかった場合は、理事長(或いは管理会社)へ、お詫びと共に対応を相談しましょう。
それが大人のマナーです。

また、滞納に対しては、多くの管理組合では、年間14.6%という遅延損害金を課しています。
この遅延損害金とは、ペナルティ金のようなもので、なかなか高いです。
信用情報にのらないからといってほおっておくと、高い遅延損害金を支払う事になりますし、そしてたまり始めるとはらえなくなってしまいます。

どうがんばたって交渉したところで、マンションの管理費については値引きも割引もありえません。
みんなで同じだけお金を負担しているからです。
滞納した分を全部払うんでをまけてください、なんてありえないのです。
絶対払わないといけないんだから、ちゃんと払っておかないと、お金も信用もなくしてゆくのは自分自身です。

最後に

マンションの管理費・修繕積立金は、法律でかなり手厚く保護されています。
そうそうの事が無い限りとりっぱぐれることはありませんし、裁判で負けるという事もまずあり得ません。
粛々と請求をしましょう。

ただし、駐車場収入や、預り金(水道料金や自治会費など)については、新しい持ち主に引き継がれず、回収できない可能性があります。
ケースバイケースではありますが、ここについては、回収できない覚悟はしておく必要はあります。

管理費の督促なんて、借金の取り立てみたいなもんです。
督促する側も、される側も、気持ちのいいものではありません。
大切なことは、『ためさせない』ということです。

滞納初期の段階から、きつく請求をする。
或いは、定期的に総会などの場で、それが発生しないように啓蒙活動をする。
(滞納すると怖い事になる、それは恥ずかしい事だ、という事を事前に知らしめる)
管理費をためていてもどうったことない、前にたまったけど別に何もなかったよ、というゆるいウワサがマンションに流れると、『何となく払わない』不届き物がでてきます。
そういう方は、「滞納は私だけじゃないですよね?」とか、わけのわからん開き直りをしたりします。

マンションの管理者や、管理業者は、『住民を教育する』という日ごろの積み重ねが大切であり、そしてそれができるだけの知識を持たねばなりません。
まさか督促もろくにできないような管理会社はなかなかいないとは思いますが、たまーに、うっかり時効を迎えちゃいました、なんて話、聞く事は聞きます。
例え時効を迎えたからと言っても、払う側が払うと言えば時効は成立しません。
やっちまった!って時でも、がんばって交渉はしてみることをお勧めします。

昔にほんとうにあった話(余談)

滞納関連は、放置しているととんでもないことになります。
という一例の話で、昔、自主管理のマンションを立て直すお手伝いをしたときのことを思い出しました。
今度、その事を書こうと思います。

 

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